日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

色ざんげ 1956年 日活

監督 阿部豊 脚本 岡田敬一 原作 宇野千代

出演 森雅之 北原三枝 田中絹代 武藤章生 菅井一郎 三島耕 宍戸錠 

   二本柳寛 天路圭子 高田敏江 坪内美詠子 山岡久乃 高野由美

   大森義夫 芦田伸介

 

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題名は衝撃的ですが、現代からすると古い感じは否めません。

森雅之はこういった男性を演じるのにはピッタリです。「白い悪魔」で野添ひとみと接吻した森雅之北原三枝とも接吻してたんですねw。

 

白陽会所属の画家湯浅(森雅之)はまつ代(山岡久乃)との結婚生活が破綻しているが前から実業家の娘、つや子(北原三枝)と恋愛関係にある。まつ代は十分に慰謝料と月々の生活費をもらえるならと家を出て行く。

一方、つや子の父、信光(菅井一郎)は湯浅を嫌っており、つや子に見合いをさせ別な男性と結婚させようとする。

断るつもりで見合いをしようとするつや子の行動を見た弟の二郎(武藤章生)は湯浅達画家が集まる銀座のバー有有亭で二人が会えるように取り計らう。

その後、二人は有有亭のマダムの家の2階で一晩を過ごすがその後つゆ子は父から強引にアメリカ行きを命ぜられ、それまで箱根の伯母(高野由美)の別荘で過ごすことなる。二郎からそのことを聞いた湯浅は別荘を訪ねる。つや子から翌朝、バス亭で待ち合わせと言われるが豪雨の中体調を崩して気を失い、目をさました時には病院のベッドの上だった。

翌朝、バス亭へ行ったつや子だが湯浅はおらず、そこへ探しに来た伯母にみつかり、結局アメリカへ旅立つことになった。

 

傷心の湯浅は絵を描くこともできなくなったが、そこへ湯浅を先生と慕う高尾(高田敏江)から紹介されたとも子(天路圭子)の積極的なアプローチもあり、つや子を忘れるために結婚する。

ところが、とも子には大学生の恋人、白井国彦(宍戸錠)がおり、ある日とも子は岐阜に国彦と旅行へでかける。お金のなくなったとも子は実家にお金の無心をする。そして母(高野由美)と共に岐阜へ行った湯浅は旅館でくつろぐ二人の姿を目の当たりに・・・。

国彦はなぜかその後自殺してしまう。

 

一方、アメリカへ行ったつや子は現地で結婚し、一年後母の法事だということで帰国した。

って、お互い結婚しちゃってるし(;^_^A。

 

妻の不倫で傷ついた湯浅とつや子は再会する。お互い忘れられないのだ。

そして当時流行った?ガス自殺を試みるも、湯浅は生き残ってしまう。

 

亡きつゆ子と生きていくという決意を固めた湯浅の元に高尾が訪ねてくる。結婚するのでお別れに来たと言うが、高尾は自分には湯浅が好きだと言える勇気がなかったと告白。ってここでなんだか涙(笑。

「もうお会いすることもないでしょう」・・・系なセリフには泣いてしまうのは年齢のせいかとつくづく思う。

この静かな女性役に地味な高田敏江もピッタリであった。

 

ところで最後の森雅之と高田敏江がお別れを言うシーンはお寺のようだが、九品仏浄真寺?のようにも思えるがはっきりしない。

高田敏江

チンピラ役などのイメージの強い武藤章生ですが、1956年当時は大学生役でした。

またジョーになる前の宍戸錠も純情な大学生でした。

武藤章