日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

若い豹のむれ 1959年 日活

監督 松尾昭典 脚本 三木克巳 原作 秋永芳郎

出演 小林旭 沢本忠雄 渡辺美佐子 白木マリ 大坂志郎 稲垣美穂子 安部徹

   内田良平 待田京介 青山恭二 丘野美子 芦田伸介 

 

www.nikkatsu.com

 

日活より

 

今朝の日経日曜版で鍬形蕙斎の「鳥獣略画式」が紹介されていました。なんだか癒される。サラサラ描いた感ある丸い猫。

ゲージュツには詳しくありませんが、丸い猫だけでなく熊谷守一のカクカクした猫もいいと思います。

熊谷守一美術館は熊谷が実際暮らした宅地跡に建てられていて、数年前に行ったことがあります。熊谷が座った木製の椅子も展示してあり、自由に座ることができます。

なんだか小学校の木製の椅子みたいでした(笑。

玄元舎より

日活+は一か月50円が終了する3月3日でとりあえず退会することにしました。毎月390円払う価値がいまのところ感じられないのです。将来、全ての日活作品がプラスに移行してしまうのか?心配です。

 

なんと義姉が好きなマイトガイの(当時は)禁断の恋の話♡♡

 

銀座のバーで働く滝馨子(渡辺美佐子)目当てに通う日東石油社長の宮川(大坂志郎)。馨子は宮川にいまでいうストーカー男をなんとかしてくれとカウンターを指さす。そこには馨子の亡き夫の弟、白川浩小林旭)がいた。馨子の亡き夫はボクサーであった。弟の浩も大学へ行きながらボクシングジムへ通っている。

 

宮川には一人娘の由布子(稲垣美穂子)がおり、浩と同じ大学に通う顔なじみだ。

ある晩、宮川の妻が急死し、宮川は馨子を妻に迎える(ってこの展開が速いw)。

由布子も嫌がるわけでもなくすぐ打ち解ける(ってこの展開もわからんw)。

 

宮川と馨子の結婚式に呼ばれた浩だがいたたまれずに夜の街へ。そこに藤倉組に所属し、ヤクザだからとボクシングジムを辞めさせられた村田進が現れ、アニキと慕う浩の強さを親分にみせようとワザと喧嘩をさせる。そのクラブでは村田の姉のチエミ(白木マリ)が踊っていて、泥酔した浩を連れて帰り一夜を共にする。

下宿にも大学にも戻らなくなった浩。ある晩、進が街で絡まれ、救ってやった浩だが、その時、進は親分に渡す3万円を無くしてしまったという。そこで浩は嫁に行った義姉に金を借りようとするが、チエミと同棲していることを知っている義姉は勘違いから金を貸してくれない。進は親分の仕事を手伝ってくれれば許してくれるからと藤倉組の親分(安部徹)に引き合わせる。かねてから浩の腕っぷしの強さを知っていた親分は秋田に子分の岩崎(内田良平)と進と行くように言われる。浩は自分の取り分から進が失くした3万円を引いてくださいといい、3人で秋田へ。

藤倉の狙いは秋田の油田をもっている藤田(芦田伸介)に油田は大洋石油に売るようにと言うが、すでに日東石油と仮契約をしたのだと言われ、岩崎が拳銃で脅そうとするも

警察が駆けつけ、岩崎と浩は逃げ出す。しかし進は藤田の屋敷においてきてしまった。

 

一度は秋田駅まで来た浩だが、進が気になって藤田の屋敷へ舞い戻る。藤田は馨子の嫁入り先の宮川と親しく、浩が馨子の義弟だと知り話が弾むのだった。(って??)

 

東京では大洋石油の件がうまくいかなかった藤倉は、浩と同棲しているチエミに宮川の娘、由布子を誘い出させ監禁する。しかし由布子の口から浩が好きなのは自分ではなく、義姉の馨子だと聞き、チエミは由布子を逃がしたのだ。そのことで彼女は藤倉からリンチを受け、進によってそのことを知らされた浩は駆けつけたが藤倉の拳銃を避けた時に目に負傷を負ってしまう。チエミはリンチで死亡。

 

浩はボクシングを諦め、田舎へ帰ることになる。進は組から抜けてまたボクシングができるようになり、将来は浩の分まで頑張ると言う。(って・・・)

田舎へ帰ると連絡を受けた馨子に、夫の宮川は浩の元へ行ったらどうか・・という。

(え~~~~~なにこの展開w)

 

海岸にいる浩・・・そこへ馨子の姿が!ってところで終わる。

 

この映画で一番得をしたのは、村田進(沢本忠雄)ではないですかね。

自分の失くした3万円を浩になんとかしてもらおうとして結局、浩を組に引き入れ、

そのことが原因で浩は目に傷を負ってボクシングができなくなっているのに自分は元のボクシングジムにまた通えるようになってアニキに負けないようなボクサーになる!とかよく言えるよね(;^_^A。

映画では沢本忠雄はわざとやっているわけではない風であったけれど、少なくとも小林旭の喧嘩強さを親分である安部徹に見せたのはワザとだ。その後、小林旭の運命は大きく変わり、まぁ救われるのは好きだった(実は相思相愛)義姉を結ばれることだが、若いうちはいいけど数十年経って、年上の女性が好きになったのは「一時の迷い」だったと思わない保証はない(笑。

一方沢本忠雄のほうは組の崩壊でチンピラでもなくなりボクシングができるようになったけど実の姉の死は哀しくないの??なんでそんなに明るく小林旭に報告するのがなんだかねぇ~~~~。

私にとっては、義姉に恋した年下大学生の愛の物語じゃなくて、人間の運命なんて周りの人間によってずいぶん変わってしまうという教えをうける映画でした。

 

小林旭の同級生、青山恭二、待田京介小林旭のことを思って忠告するがあまり重要な役割もなかった。青山恭二の顔が大きいな・・・が感想(笑。

キャラとしては青山恭二は歌がうまく、アルバイトで歌っている。就職はせずに結局歌手を目指すことに。待田京介はどこかの社長の御曹司で就職に心配もないらしい。最後はなぜか小林旭が好きだった稲垣美穂子とどうにかなりそうな感じ。

歌の上手いキャラ(青山恭二)、いいところのお坊ちゃんキャラ(待田京介)も、ボクサーで大学生キャラ(小林旭)もマイトガイならすべてこなせそうでした~~♪♪

日活より