日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

大阪の宿  1954年 新東宝

監督 五所平之助  脚本 八柱利雄 五所平之助 原作 水上滝太郎

出演 佐野周二 乙羽信子 細川俊夫 水戸光子 川崎弘子 左幸子 藤原釜足

   三好栄子 安西郷子 田中春男 十朱久雄 北沢彪 恵ミチ子 多々良純

   中村彰 中村是好

 

「大阪の宿」アマゾンプライムならただいま無料で視聴できます。白黒と総天然色(カラー)がアップされてますのでメンバーの方、いちどみてください。

 

昨日でこのブログを始めて一年経った・・・ということをはてなからメールで知らされた。そもそも、古い日本映画を見始めたきっかけになった映画がこの「大阪の宿」だ。

それまでは1960年代の大映作品、(もっぱらカラー)が好きでDVDをたまに購入していたが、某巨大動画サイトでたまたま目にして白黒はねぇ・・・と思いながら見始めた。

 

そしてこの白黒映画を見てから白黒の古い映画はまってしまった(笑。

 

いつかこの映画の感想を書きたい!と思ったのがブログを始めたきっかけのひとつになったのがこの「大阪の宿」

前にも書いたが、それ以外でブログをはじめた理由はアマゾンで購入したDVDや本のレビューを書いてもなぜか掲載されないことがあったことが決定打となり(大袈裟?笑)一年前の昨日、書きはじめた。

手始めにどのブログと使用しようか・・・からだが、あっさりした画面の「はてな」が良かったし、なによりも字が小さくなくて(標準の)読みやすかったのがここでも決定打になった。ただ、自分が過去に書いた記事とかの検索機能がなくて(どっかにあるのか?)同じ映画のことを2度書いていたりする(たまに気づくが面倒なのでそのまま 笑)。

さらに記事を読み返すと誤字脱字が多かったりするけど、直すのが面倒なのでそのまま(すいません 笑)そして過去の記事を読み返して言葉足らずの文章下手で読んでいる人にこれでわかるのだろうか?という記事多し・・・(笑。

 

前置きがやたらと長くなったが、とにかくこの映画が私のなかでは最高峰!

五所平之助最高!八柱利雄天才!

「大阪の宿」と肩を並べるのは川島雄三の「洲崎パラダイス 赤信号」がある。

川島雄三といえば「幕末太陽伝」が有名だが、私は「洲崎パラダイス」が良いと思う。

冬にみて最高なのが「大阪の宿」梅雨の時期は「洲崎パラダイス」なのです!

 

この「大阪の宿」、とにかく無駄と思われるカットがない!全然ない!

「洲崎パラダイス 赤信号」は少なくとも1,2か所???なカットがある。

それを考えると一番はやはり「大阪の宿」♪

 

五所平之助というと「煙突のみえる場所」が有名だが、その後年の「大阪の宿」のほうが絶対、ぜったい出来はよい。「煙突の見える場所」は出演者が田中絹代上原謙高峰秀子だったし、舞台が東京だったのでそれで有名だっただけだと思う(笑。

かたや「大阪の宿」は佐野周二乙羽信子水戸光子、川崎弘子、藤原釜足左幸子などが出ているが出演者のインパクトが薄かったのだろうか???

音楽は芥川也寸志で、前年の「煙突のみえる場所」でも同じような曲が使われている!(笑。

 

この映画、あまりにもよくて、良過ぎて何回みたか・・そして原作者の水上滝太郎の「大阪の宿」も購入。初めて定価以上だして買った古本です(笑。

内容は全く違い(三田という男=水上滝太郎自身は同じだが)、原作者が大阪に暮らした時の話ですが、大正時代を昭和28,9年にしてこの原作からここまでの物語をつくれた脚本家、八柱利雄は、天才です。

もうひとつ忘れられないのが、林芙美子原作の「下町」という映画があります。

原作はほんとうに短い短編ですが、それをあそこまでふくらませて書いた脚本家の笠原良三と吉田精弥もすごいのです。

 

話がそれました・・・その後、五所平之助ファンとなり、今年は五所監督の本2冊、うち一冊は五所監督のサイン本ゲット・・これも定価以上の古本です・・

でもまだ読んでません(え・・・笑)

 

前置きが長くなりました(笑。なにせ2年以上いつ書こうかと思っていた映画でしたから。もちろん、DVDも購入済です!もったいなくて開封すらしていない(笑。

動画サイトでずーっとアップされているのです。そのチャンネル、なくならなければいいなぁ・・

 

登場人物

主人公        三田     佐野周二 

芸者       うわばみ(お葉) 乙羽信子

三田の友人        田原   細川俊夫

土佐堀の旅館酔月の女中  おりか  水戸光子

     ”        おつぎ  川崎弘子

     ”        およね  左幸子

     ”        女主人  三好栄子

     ”       おっちゃん 藤原釜足

     ”  泊り客  野呂    多々良純

おりかの男              中村彰

生命保険会社の同僚   住友     十朱久雄

大阪支店長              田中春男

飲み屋 蛸政の主人          中村是好

             おみつ   安西郷子

             井元    北沢彪

             井元貴美子  恵ミチ子

 

冒頭

大阪の蛸政という飲み屋で三田(佐野周二)と同僚の住友(十朱久雄)が飲んでいる。

住友の話から三田は大阪での住まいが決まらず困っているというのがわかる。

飲み屋の主人(中村是好)が最近は旅館といってもパンパン宿のようなえげつないのが多い・・などと言うことことで時代背景がわかる。

三田が、住友のことを住友財閥と呼んでいるのが可笑しい(笑。

 

そして画面がひいてカウンターで酔ってふせていた「おっちゃん」藤原釜足が顔をあげ、「土佐堀の酔月」をすすめる。そのセリフが最高!

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蛸政で 住友、三田、おっちゃん

いぶかしげな三田。蛸政の主人が「ほんまかいな・・」などという。

おっちゃんが去ったあとに残していったマッチが映る・・・

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土佐堀の酔月や!

 

おっちゃんの呻る浪花節?がなかなかグッド♪

 

画面かわって

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土佐堀・・手前の橋はいまは埋め立てられていてない

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三田が下宿する酔月

 

以下 続く・・・・