日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

愛と死の谷間 1954年 日活

監督 五所平之助 脚本 椎名麟三

出演 芥川比呂志 津島恵子 宇野重吉 乙羽信子 高杉早苗 木村功 安西郷子  

   北林谷栄 伊藤雄之助 多々良純 中村是好 田中筆子 飯田蝶子

www.nikkatsu.com

芥川比呂志津島恵子

今日は選挙ですね。私はすでに清き一票を投じて参りました。

 

五所平之助の新東宝「煙突の見える場所」「大阪の宿」のヒットで日活も同じ路線でヒットを狙ったかと思われる作品だが、なんだかわからない作品(;^_^A。

舞台が線路際の診療所なのでやたらと汽車シーンがあって五所平之助って汽車が好きなのか。シーンとしては良い。まだ国民皆保険制度がなかった?頃の作品。

 

診療所に勤める女医の竹内愛子(津島恵子)は診療所の所長大沢(宇野重吉)から求婚されている。医師免許をもたない大沢は医師である愛子と一緒になれば一石二鳥だと考えるのだ。ところが彼は今野桃代(乙羽信子)という経理担当の女と関係をもっており、診療所の出資者は自らが大沢の妻だと名乗る望月栄子(高杉早苗)もいる。

栄子は自分の遺産を大沢診療所に使っているのだが、これもよくわからない。

津島恵子乙羽信子

 

愛子は黒ハットの男にいつもつけられているように感じる。そこで警察や公安へ行って訴えるが(これも謎)、解決には至らず、毎日モヤモヤして過ごしている。

実は、愛子が診療所を乗っ取ろうとしていると妄想にかられた栄子が私立探偵に愛子の行動を探らせているのだ。そこで仕事を失い、仕方なく探偵になった風見(芥川比呂志)が愛子を調査することになった。しかし、愛子に不審な点がなく、依頼者の栄子に言っても栄子は承知しない。しぶしぶ愛子をつける風見だが、なんと栄子はその風見を別の探偵(中村是好)にちゃんと仕事をしているかつけさせる・・というコメディになっている(が、面白くない)。

芥川比呂志高杉早苗

高杉早苗という女優さんはあの四代目市川猿之助の祖母で、彼女の長男が市川猿翁香川照之の父)、二男が市川段四郎猿之助の父)で、猿之助は一家で自殺を図って結局両親は亡くなってしまった。ふとした横顔が長男(猿翁)にそっくり。(息子が似たのかw)。1995年まで彼女は生きていたのでまさか後年こんなことになるなんて思ってもいなかったでしょう。梨園の妻として息子を二人も産み、女優としても幸せだったと思います。

 

診療所の近くには食べるのもやっとという人達が住む町がある。そこから母の具合を診てくれと来た子供を相手にしなかった看護婦長(北林谷栄)だが、愛子は往診に向かう。するとその子供が隣近所の人間を連れて診療所にやってきて診てくれという。愛子は婦長の制止を無視して診療にあたったが、その後、大勢がまたやってきた。

無料で診てくれると子供が触れ回ってのだが、その日愛子は彼らを無視。

愛子も困るのだよ(笑。

愛子の態度にがっかりした子供だが彼は貨車に乗っていた牛に草をあげていて貨車に轢かれてしまう。それに気づいた探偵の風見は子供を診療所へ連れて行く。

この時の診療所の婦長はお金も払えない子供だけど躊躇せずに治療、入院させるってところもわからない(;^_^A。

 

愛子は子供がこんなことになったのは自分のせい?かと思い意気消沈しているところに子供を連れて来た男と出会い、彼らは町へ。その男が自分を付け回す男に似ているが彼は否定する

ところが・・・。

出演者が「煙突の見える場所」と「大阪の宿」の二番煎じみたいでした。

安西郷子・芥川比呂志

木村功

 

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