日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

青い山脈 正編 1949年 東宝

監督 今井正 脚本 今井正 井手俊郎 原作 石坂洋二郎

出演 原節子 池部良 杉葉子 龍崎一郎 小暮実千代 若山セツコ 三島雅夫

   藤原釜足 花沢徳衛 原緋沙子 出雲八重子

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wikiより

前に1963年日活の青い山脈は書いた。

この元祖が1949年だ。

なにかで池部良が、当時30才過ぎていて学生役は恥ずかしかった・・・とか。

彼は出征し、無事帰ってきた。また俳優をやらないかと熱心に誘ったのが高峰秀子

彼女の誘いがなければ彼は俳優をやめていたのだろうと思う。

 

田舎町に東京から英語の女教師が赴任する。それが原節子だが、冒頭、教師同士の噂話で「映画女優に似ている・・」というギャグ挿入。今井正監督、目立たないギャグが随所にみられる(笑。

 

杉葉子は高校2年生?(5年生と言っていた)で、ある日卵を売りに池部が店番していた家にやってくる。彼はちょうどいいと杉に食事の用意をしてくれと頼む。

池部は本当は大学生なのだが、落第した・・という。ということは高校生?なのか?

 

帰り際、杉は辻の占い師に自分の姓名判断をしてもらい別れるが、これが杉の通う女学校で問題になる。

杉には明らかに同級生が書いたと思われる手紙がきて、それを原節子に相談する。

教室で問い詰める原節子。戦後、民主主義の時代となって今までの封建的な考え方を改めて欲しいのだ。原は言う「国のためとか、学校のためとか言うが、個人の人格を否定するようなことはいけないのだ」と。

ところどころ考えさせられるのだ。今でも。

 

町の人間はまだ封建的な考え方に縛られ、原は帰途の途中、校医の龍崎が「結婚して、博士号を金で買い、市会議員にでもなって、妾を囲うのもいいかもしれない・・」などという男性の生き方を言うと思わず原節子から平手打ち(笑。

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原に平手打ちされ茫然とする龍崎一郎

 

同級生の一部は校長へ直談判に行き、原節子に猛反発。それが理事会にまで発展することになるが、原はへこたれない・・・。

 

途中、原節子杉葉子がダンスする場面があるが、どちらも背が高い。

実際どっちが背が高かったのだろう?

 

若山セツコは同じ高校へ通い、原節子のスパイを自任する可愛い女の子だが、彼女の姉は芸者の小暮実千代。もう本当にいろっぽい(笑。

小暮は校医の龍崎一郎にぞっこんなのだが、、、

 

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自転車に乗せてもらい、子供にぶつかりそうになった。小暮は「私は大和撫子の血をひいているからパンツだかズロースだか大嫌いなんだから」という。転んだら見えちゃうじゃないのということか?笑

 

町の顔役で学校の理事長は三島雅夫。料亭で原に反発する教師、学生の父親と悪い相談をするのだ。

 

原たちは校医の龍崎一郎の家で今後の理事会の対応を協議していると、急患でどうしても先生に診て欲しいと農夫の花沢徳衛が呼びに来る。

龍崎は自転車で出かけた途中のトンネルでヤクザものに襲われる!

 

までが正編でした。

続編も見たことがありますが・・・記憶が曖昧なのでここまで。

 

杉葉子の美人じゃない高校生がよい(笑。

 

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私には母がふたりいるの・・・と池部良に話す杉葉子

 

小暮実千代の芸者姿は圧巻!「祇園の姉妹」で若尾文子に監督の溝口健二が小暮のことを「どうだ、色っぽいだろう?」と言ったとか。確かに(笑。

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とっときの一本なのよ・・・と龍崎にお酌する小暮実千代

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戦う原節子、苦難の道!

最後に一瞬村瀬幸子かと思った女教師役の原緋沙子・・・若い・・

私の記憶にある原緋沙子はもっと丸顔のおばぁさんだ。

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原緋沙子はがんばってくださいと原節子を励ます。