日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

風ふたたび  1952年 東宝

監督 豊田四郎 脚本 植草圭之助 原作 永井龍男

出演 原節子 池部良 山村聰 浜田百合子 三津田健 杉浦春子 南美江

   御橋公 菅原道済 十朱久雄 龍岡晋

 

日本映画専門チャンネルで放送♪

原節子池部良東宝!だったので期待度大ありだったが、期待外れ(笑。

 

仙台の大学教授、三津田健が学会に出席するための汽車で、乗り合わせた実業家、山村聰がトイレに置き忘れた財布から10万円が抜き取られていた。直後にトイレからでてきた三津田健に山村や同行していた者が疑いの目を向けるが、山村の一言で警察へ知らせるのはやめにした。そんなことはちっとも知らない三津田。東京に着くと倒れてしまい、彼の元で研究の手伝いをしていた池部良の元へ運び込まれる。

 

三津田健の娘、原節子は結婚に破れ、今は渋谷の叔父の家に厄介になっている。叔父夫妻がやっている?映画館内の売店を手伝いながら暮らす原節子は、父の元には離婚後帰らないわけがある。父の後添えとうまくいっていないのだ(多分)。

 

池部は戦争にとられ、無事復員してきたが、それまでの研究をやめて今は神田?の野菜や果物の仲買いの会社に勤めている。大学の師、三津田が運ばれてきてそれを知らせるために原のいる売店を訪れる。原は急いで池部の下宿へ。

父が良くなるまで1週間?ほど泊まり込む。その間池部とは仲良くなっていく。

 

ある日、池部の元へ本屋を経営する浜田百合子が訪ねてくる。新聞記事に乗った実業家の財布の中の10万円が盗まれたという記事をみせ、実は原節子の父の三津田健をみな疑っていると言うのだ。それを聞いた池部が原に伝えると、原はその実業家、山村聰の元へ抗議に行く。山村はあっさり謝って勇んで行った原は拍子抜けするが一件落着♪。

 

原節子と浜田百合子は女学校の同級生で、浜田百合子は山村の元に本を調達している。

そんな縁で原は浜田百合子経由で仕事を紹介してもらう。そこはラジオ局で、忙しく働くうちに原はどんどん活発に、元気になっていく。そんな原を池部はやさしく見守るのだ。時は12月、池部が出張で東北へ行くことになった。年末には帰ってくるのでそうしたら一緒にスキーに行こうと約束する原と池部。原は早速スキー板を買ってくる。

 

そんなある日、実業家、山村の家へ呼ばれた原。山村は妻を7年前に亡くしたあとは独身だったが、その妻によく似た原を妻にしようと思っていたのだ。

 

そうこうしているとまた父が東京へ出て来た。研究の成果が認められ、山村の会社でそれを製品化?することになったという。ついてはその仕事を池部に任せたいので池部が出張から帰ったら山村の元を訪ねるようにという。

なかなか帰ってこない池部から大晦日に電報が届いた。原は池部がまた研究に関係した仕事に携わることができると喜んでいたので、まだ帰らないということを山村に知らせに行く。山村邸に着くと原は手伝いに来て欲しいと頼まれ、正月に手伝いに行くことになる。貸衣装やから借りた着物をきて髪をセットした原。山村邸で手伝いをしていると出張から帰った池部が知らせを聞き山村邸へ。美しく着飾った原に一瞬見惚れながら池部は山村と話をするのだが、池部の表情は固い。そして池部はきっぱり山村の申し出を断るのだ。なんだかわからない展開になった原は池部を追う。池部は東北出張の帰りに北海道の友人を訪ね、その仕事に魅力を感じて北海道へ移住を決めたことを原に伝える。池部は原と山村との仲も疑っていた。

 

びっくりした原・・・夜、山村邸へ戻ると山村からプロポーズされる。

 

伯父さんの家へ意気消沈で帰る。原が結婚を申し込まれたと言うと事情を知らない伯母が池部からだと思って喜ぶが、相手が山村だとわかると尚更喜ぶ。お金持ちの山村の元へ嫁いだほうが女は幸せになるからだ(と伯母の言い分)。慌てて寝ている夫を起こすと伯父は「そんなことは当事者が決めればよいのだ」とまた寝てしまう。

池部が北海道へ行ってしまうことと、山村からのプロポーズでなんだかわからくなった原だが、山村の妻の七回忌を手伝いに行く。

 

そこへ同級生の浜田百合子が弔問に現れ、原に池部が今夜の汽車で発つことを知らされる。慌てて駅へ行こうとする原に山村は自分の車で駅まで行きなさいと優しく言うのだった。

 

すんでのところで汽車に乗った原は池部を探して車輛を歩き回る。

車輛の連結部分で会えたふたりは固く抱き合うのだった・・・・

 

みたいな話でしたが、

池部が山村邸に行ってすぐ機嫌が悪くなるのって変・・・そもそも原も山村からまだプロポーズされていないのに二人のことを疑うような怒りってなに?

浜田百合子が原の同級生でしかも池部とは幼馴染みって都合良すぎる(笑。

 

最後に見せる原のあの笑顔は、いかにも作った笑顔で、確かに原の笑顔って良いけれど

これはちょっとなぁ・・・と感じた。

 

大学教授の三津田健の弟夫妻の家へ原はやっかいになるのだが、その弟夫妻の仕事が最後までなんだかわからず、兄が大学教授なのに弟はなんだか違う階層の人みたいだった。

 

ネットの筋書では山村の財布から10万円抜き取ったのはやはり同じ汽車に乗り合わせた原の同級生の浜田百合子となっているが、映画ではその犯人はそういうことを専門にしている犯罪者?で捕まったと原に山村が言う場面がある。

 

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