出演 川崎敬三 田宮二郎 船越英二 近藤美恵子 若松和子 若原一郎
清川玉枝 潮万太郎 伊藤直保
一時間にも満たない映画だが、若山一郎のヒット曲「おーい中村君」の単なる歌謡映画だと思ってみてたら想像を絶するおもしろさだった(笑。
あまり期待せずに見たからかえってとてもおもしろいと感じたのだろうか・・・。
会社の脇の橋の上で話すふたり。この川や橋は東京のどのへんだろう。もう埋め立てられてないかもしれない。
川崎敬三はちょっと気の弱いサラリーマン、通勤電車で見かける女性が好きなのだが、アパートで彼女の似顔絵にせいぜい挨拶するくらいで名前も知らない。
ある朝、また彼女と同じ車輛に乗り合わせ、ラッキーと見惚れていたら財布を掏られそうに・・・しかし!憧れの彼女がそれに気づいて川崎敬三に話しかけ事なきをえた。
もっと話そうとするが彼女は駅につくとさっさといなくなり、後を追おうとするが人がいっぱいで追いつけない・・・・。
ある日、信号待ちをしている川崎敬三。ぼんやり彼女のことを考えていて危うく車にはねられそうになるところを後ろから引っ張る人がいた。振り向くと彼女!
興奮マックスで彼女に話しかけようとすると、その間におばぁさんがいて横断歩道を一緒に渡る羽目に・・・彼女に未練を残しつつ、川崎は手をひいておバァさんと横断歩道を渡り終え、慌ててまた横断歩道を渡り返すが彼女の姿はもうなかった・・・。
会社には新人で同じ苗字の中村二郎(田宮二郎)がやってきた。川崎は田宮を一緒に電気製品の営業に回ることになる。
田宮二郎はハンサムで、女性にも積極的。社内の女性にもすでに声をかけていた。
田宮に連れられて行った「バーなかむら」には若山一郎扮するバーテンがいてそこで若山が「おーい中村君」を歌う場面はご愛嬌♪
田宮はそのバーへ来る女性客にも手を付けていたが、怒ったその女性の愛人?夫?のチンピラに同じ中村姓だった川崎が殴られ、川崎が殴り返し、とうとう警察の留置場で二人とも一晩過ごす羽目に。翌朝、川崎が釈放されることになったが、なんと憧れの彼女は婦人警察官でその警察署にいた!
やっと彼女と話せることになった川崎敬三。彼女に名刺を渡すことができた。
その後、デートを重ね・・・彼女も結婚してもいいと思うのだが・・・
社の命令でライバル家電メーカーの会長?社長の動向を探るべく、その愛人と噂されている芸者、若松和子へ接近を命ぜられた川崎。
座敷で芸者からお酒を飲んだら話してあげると言われ、飲めない川崎はこの仕事がうまくいったら課長になれる!と無理して飲んで・・・芸者にせがまれ接吻してしまう。
アパートに帰ると川崎敬三の誕生日を祝おうと彼女が待っていたが、泥酔して帰った川崎はつい正直に芸者との接吻を話してしまう。
喧嘩別れとなった川崎。
一方田宮二郎は部長の秘書で愛人だった社内の女性と関係をもったことを知った部長に大阪へ飛ばされていたが、今度は部長が大阪へ転勤となり、秘書も一緒に連れていく。ところが田宮が大阪にいるのでその前に田宮を東京へ戻せということになり、東京へ戻った田宮が川崎の元を訪ねる。ことの事情を知った田宮、じゃぁ、僕が彼女を口説けるんですね!先輩とはもう別れたんだから!といって飛び出していく。
心穏やかでなくなった川崎・・・・田宮はプレイボーイだからなぁ♪
彼女のほうも川崎と芸者の仲が気になって仕方がない。
芸者の元を訪ねて問い詰める。芸者と問答をしているうちに田宮二郎が現れ、その芸者の恋人が田宮二郎だとわかる・・・そこへ川崎が田宮を追って現れて、川崎を誤解していたとわかった彼女とハッピーエンド♪
みたいな・・・
とにかくテンポが早くてしかもつなぎも不自然ではなく、話の筋もちゃんと通っている。ライバル家電メーカーの社長夫人で清川玉枝がちょっと登場。
キャスト選びもよかった。
川崎の相手役の女優さんは知らなかった。
芸者役の人は見たことはあったが名前まで知らず、今回「若松和子」という人だと知った。
でてくる女優さん達に私の知る人はひとりもいなかった・・・清川玉枝除く(笑。
近藤美恵子という人は昭和29年のミスユニバース日本代表だった人で、大映社員だった人のブログの番外編の番外19で紹介されていた。1963年に結婚を機に引退したとある。その人によると目立った主演作品はないが重宝がられた主演級の女優さんで勝新太郎、長谷川一夫、市川雷蔵との共演が多かったと書いてあります。
着物でカツラだと仮に見たことがあっても記憶に残らないものです・・・。
そして残念なことに2020年12月15日84歳で没。(wiki)
引退してしまうとその後の没年までわからない人が多いのですが、彼女は家族がちゃんと知らせるべきところへ知らせたのでしょうね。