日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

悪名  1961年 大映

監督 田中徳三 脚本 依田義賢 原作 今東光

出演 勝新太郎 田宮二郎 中村玉緒 水谷良枝 中田康子 浪花千栄子 山茶花究

   倉田マユミ 高橋とよ 阿井美千子 藤原礼子

 

日本映画専門チャンネルより

悪名シリーズの第一作。まだ結婚前の中村玉緒勝新太郎wikiによると勝新太郎が玉緒にぞっこんで結婚したとある。さらに田宮二郎の妻となる藤原礼子はのちに勝新太郎の兄の若山富三郎と結婚しあの息子(若山駆一郎)を産むが離婚。2002年に69歳で亡くなったという。

 

河内の百姓の息子の朝吉(勝新太郎)は、人妻のお千代(中田康子)と大阪都会?へ駆け落ちする。お千代が身ごもったというので一緒になろうと駆け落ちしたが、お千代は流産でもしたらしく子供を産む気配もなく、ヤトナ?芸者になって夜な夜な稼ぎに行くが、男癖も悪く、下宿先の主人の助言もあって朝吉はお千代と別れ、生まれ故郷へ帰ることにするが、お伊勢参りの帰りに松島で遊んでいこうとする故郷の知り合いの一団に出くわし、誘われるまま一緒に松島遊郭へ。

そこで相方となったのが元は芸者だったが、家の都合で女郎となった琴糸(水谷良枝)。その晩遊郭で暴れる地元のヤクザ者のモートルの貞(田宮二郎)とひょんなことから仲良くなり、貞の親分の家にやっかいになることになった。

毎晩のように琴糸の元へ通う朝吉の優しさに琴糸もすっかりほだされて朝吉が好きになる。しかし琴糸は借金もあるし遊郭から足を洗えない。自由廃業がうたわれてははいるが、実際、女郎にそんな権利はなく、いずれ朝吉も来なくなってしまうだろうと琴糸は悲しむと朝吉は足抜けを手伝ってやるといいだす。

 

ある日、組の出入りに駆り出される朝吉を琴糸が訪ねてくる。なんと遊郭を逃げてきたという琴糸。とりあえず世話になっている親分(山茶花究)の家の2階へかくまってもらい自分たちは出発するが、遊郭から松島組の者がその親分の家へ。家の姐さん(倉田マユミ)は松島組に女郎の足抜けに組が手を貸していると思われても困るし、とにかく琴糸を窓から逃がしてその場を取り繕うのだった。

 

物干し場つたいに逃げた琴糸は隣の家へ逃げ込んだが、出入りが終わって帰ってきた親分は朝吉と言いあいとなり朝吉は家を出ていく。それにつられて貞ももう子分ではないと朝吉について組をでる・・・。

 

琴糸が逃げたという家に行ってみるとふたりの女がいた。そのうちのひとり、お絹(中村玉緒)の母が琴糸を逃がしたというが、その母は高野山へお参りに行ってしまいどこへ逃がしたのかわからない。とりあえず朝吉たちはお礼にとお絹とお照(藤原礼子)を食事に誘うと、自分たちは千日前の牛鍋屋に勤めているからそこでごちそうしてくれと出かけることにする。

その後、お照はみんなで泊まりにいこうと言い出し、モートルの貞とお照、朝吉とお絹のカップルが出来上がった(昭和初期の物語だけど、でてくる女性たちがなんとも先進的というか積極的というか 笑)。

宿屋で、お絹は朝吉に自分を妻にすると書いてくれと紙と筆を渡し晴れて二人は床を一緒にする・・・。

 

琴糸は、朝吉を訪ねて親分の家へ行ったが、張り込んでいた松島組に見つかって今は因島へ売られたときいた朝吉は琴糸を取り返そうと貞と因島へ乗り込む・・・

 

メインは琴糸奪還だが、とにかく朝吉のモテっぷりがスゴイ。

 

話の筋は単純だけれど結構ハラハラドキドキ、痛快なヤクザ?映画。

朝吉がお酒を飲めない(飲まない)設定がおもしろい。

アマゾンより