日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

夜の河   1956年 大映

監督 吉村公三郎 脚本 田中澄江 原作 沢野久雄

出演 山本富士子 上原謙 東野英治郎 小沢栄太郎 小野道子 川崎敬三

   阿井美千子 山茶花究 市川和子 橘公子 星ひかる

 

www.kadokawa-pictures.jp

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amazonより 

夜の河というと上記の写真が有名だが山本富士子がこのような姿では映画には映らない。映画宣伝用の写真だけれどこれはインパクトあるスチールだ。

 

京都の染物屋の娘、山本富士子は父、東野英治郎を助け自分も染物の師匠?として活躍している。その山本を慕う大学生が川崎敬三。妹の小野道子は結婚し東京に住むことになる。

ここで父の後妻役がなんと橘公子で、この記事を書くためにキャストを調べたら名前がでてきてビックリ・・・。物語冒頭からしばらく私はこの女の人は女中だと思っていた。ただいつも抱いている赤ん坊が誰の子?かと疑問だったし、山本富士子に対してもやけに馴れ馴れしい口をきくので???だったのだが後妻なら納得・・・したのが随分物語がすすんでからだった。原作を読んでいればわかるのかもしれないが。

 

しかしねぇ・・・橘公子の記憶の顔は轟夕起子系の目のぱっちりした可愛い顔だったのだが・・・

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橘公子 wikiより

この映画では面影がなかった・・・ような。ショック。

 

山本富士子の友達として登場する阿井美千子という人っていかにも昔の顔をした女優さんだったがwikiで調べると元宝塚の人だった。まだ存命しているようだ。橘公子の存命中のようだが本当なのか?

 

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阿井美千子

大学教授の上原謙の娘役で市川和子がでていた。サンドイッチマンの娘(娘の修学旅行)から大学教授の娘へ大出世。

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市川和子

で、まぁ山本富士子上原謙の不倫から始まった恋が上原の妻の死で山本は上原の妻になる・・・という周囲の期待と裏腹に・・・という展開だ。

初めて関係をもった夜の山本と上原のキスシーンがなんとも妖艶だ。

 

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この後の山本富士子の表情が!!

前にも言ったけれど私は山本富士子は好きではない。この映画ではっきりしたのが私は山本富士子の笑い顔の口元が嫌いなのだということだった。

言い寄ってくる小沢栄太郎をあしらう時のあのヘラっとした顔と口元がなんだかね。

 

ただその顔を活かせたのが「夜の蝶」の京都から銀座へ進出してきた元芸者のママだ。

ヘラヘラしながら何考えてるのかわからないあの顔は「夜の蝶」のやり手ママ役にはピッタリだった。

 

映画より橘公子の変貌ぶりにショックというのが感想でした((;'∀')