日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

女性操縦法 グッドバイより  1949年 新東宝

監督 島耕二 脚本 小国英雄 原作 太宰治

出演 高峰秀子 森雅之 若原雅夫 江川宇礼雄 清川虹子 清川玉枝

   藤間紫 斉藤達雄 霧立のぼる 三村秀子 一の宮あつ子

 

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アマゾンより

んーー、値段を考えると、買わなかったほうが良かったかも・・しかし戦後4年の銀座交差点の風景は貴重なことを考えるとなんとも言えない。ましてデコちゃんファンなら。

まずびっくりは「三愛」ってあんな古くからあったんだ・・・。私が中学の頃はよく三愛へ行ったなぁ。三愛の前にはこれも昔の銀座を舞台にした映画ででてくるポリスボックスが。

 

若原雅夫は恋人にフラれ、我も忘れて銀座の交差点を渡るのだが信号を無視してしまい

お巡りさんに注意される・・・から始まるこの物語。

 

場所はかわってとある出版社のオフィス。そこには小説家?の清川玉枝にもっと原稿料が欲しいと言われている森雅之がいる。男前の彼はそれを生かして清川玉枝に優しく接する。すると清川玉枝は接吻を要求♪♪

 

その出版社の社長、江川宇礼雄は知り合いの資本家、斎藤達雄から自分の娘が森にぞっこんで結婚したいと言っているから連れてきてくれと言われる。

森がその邸宅へ行くとなんといつも紙を売りに来る担ぎ屋の高峰秀子とそっくりな女性がいた。

 

森には4人の恋人がおり、彼女らと別れるためにある日日比谷でばったり会った担ぎ屋の高峰秀子を妻に仕立てて別れを切り出すことにする。

美容室を経営している霧立のぼるの店ですっかり美しくなった高峰秀子を自分の妻だと言い、霧立は何も言えない・・・。

次に新橋?の芸者、藤間紫を座敷へ呼んで、自分は結婚したからグッバイだと言う。

藤間紫はまだ若く、私がみた彼女の芸者姿のなかでは一番幼い顔だった。

高峰秀子ズーズー弁なので口をきくなと言われているから絶対喋らない。

しかし、デコちゃん美しい(笑。

 

その後、清川虹子のいる飲み屋でデコちゃんは森の許しを得て初めて喋る。

デコちゃんの飲みっぷりに清川虹子は森との別れなど意に介さない別れっぷり。

 

最後はキャバレー?にいる一番手ごわい相手、三村秀子だが、彼女からの手紙を渡され、そこには彼女から別れを切り出されていて森は拍子抜け。

 

これで晴れて4人の女性と手を切れることになったが、森は担ぎ屋の高峰秀子に結婚を申し込む。彼女はもし自分がアパートから引っ越したら答えはノー。引っ越さずにいたらその時答えると言っている。

 

もうひとりの令嬢、高峰秀子のほうが良いと思った森。しかし彼女は森を残して出かけてしまう・・・。そこは三村秀子のアパートだった。二人は友達同士で担ぎ屋に扮していたのも三村に頼まれて森雅之へ接近して別れてもらうためだったのだが、なんとそこへ風呂から帰った森雅之と遭遇してしまう。

 

高峰は三村に詰め寄るが、彼女はやっぱり森雅之が忘れられないという・・・。

 

高峰は振った恋人、若原雅夫にすぐに来てくれ!と電話する。若原、高峰、両者が銀座の大通りを足早に歩く。二人が再会したのはやはり銀座の交差点。

すでに信号は赤だった。そこへ最初のお巡りさんが登場して二人をポリスボックスへ

ふたりの手はしっかり握られていた・・・・ハッピーエンド♪♪

 

高峰秀子森雅之が2回食事に行く日比谷公園あたりの屋外レストランがしゃれている感じ。映画のためにロケしたのだろうか。本当にあったレストランなのか作ったのかわからないが昭和24年だから行ける人はごくわずかだったろう。