日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

札幌・横浜・雄琴・博多 トルコ渡り鳥 1975年 東映

監督 関本郁夫 脚本 猪又憲吾 関本郁夫

出演 芹明香 東龍明 ナレーション 山城新伍

 

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東映チャンネルより

 

先日の東映ポルノ、怪猫トルコ風呂 がおもしろかったのでこれは録画しました(^^♪

出演者がたった二人・・・ってとこにビックリ。

 

トルコ嬢とヒモの二人が各地のトルコを渡り歩く。彼らのことを実際「渡り鳥」というらしい。

最初のうちはまぁあのシーンばかりで、これは怪猫とは違ってストーリーがなさそうだったので見るのやめようかと思った(笑。

しかし!見続けるとなんだかドキュメンタリーのようなシーンが挿入されていて興味をひく。

 

女優さんと俳優さんは札幌にいたが二人で横浜で稼ぐ・・・そこも飽きて雄琴へ流れていく。

トルコではどんなことをするのか?の描写があって、この時の女性は本物の?職業の人のようだし、インタビューの音声が流れてトルコ嬢の生活とかいろいろお喋りする女性の声が。

雄琴は男性(ヒモ?)に送られて出勤する女性たちを遠くから映しているけど、これ隠し撮り?1975年だとそういうこともアリかなと勝手に想像(笑。

彼女たちの間では犬を飼うのが流行りで街のペットショップのインタビューもあった。

トルコ嬢?の一人は「おとうさんと私は子供がいないから犬を飼うのだ」という音声がある。

博多へは女優さん達が行くんじゃなくて博多のあるトルコ?の内部が映り、そこへ勤める父がメキシコ系アメリカ人、母が日本人だという女性が登場する。しかしどう見ても黒人との間にできた人でメキシコ系アメリカ人という父親も黒人とメキシコ系のミックスかもしれない。彼女としては黒人と言いたくなかったかもしれない。

その人は母の店がつぶれてお金を稼ぐために母を説得して勤めているといっている。

プレイは白人女性と彼女、そして男性客の場面。ガイジンがいるトルコ風呂が売り?なんでしょうか。控室には大きく「性交はしないでください」とか「覚せい剤はダメだよ」みたいな注意書きが貼ってあった。

博多のトルコ街が映ると店の名前がなぜか「トルコ六本木」とかなぜ東京の地名?なのか可笑しかった。

 

 

役者さんたちは各地でラブホテルで暮らしている。へー、ま、考えてみればアパート借りるよりホテルに住んだほうが面倒がなくていいかもしれないが身体には悪そうな生活だ。

トルコ嬢で全国を回っている人たちの生活を垣間見た感じ。それにヒモになりたい男性には参考になるかも(ならないか 笑)。ヒモは同業のトルコ嬢相手の浮気はご法度だと字幕にでたりする。役者さんが細くて大してハンサムでもないし、自転車で迎えに行ったり、かけ事で100万円すったり、飼い犬の面倒をみないで犬を死なせちゃったりだからこの程度でヒモになれるなら・・・と期待に胸膨らませたバ〇な男もたくさんいたかもしれない。

東龍明という役者さん、wikiでみたら近衛文麿の孫ってなってるけど。(え^ーー・

近衛文麿の長男、近衛文隆の実子だが正妻の子ではないそうだ。

 

小津映画の常連、菅原通済が「三悪追放協会会長」としてインタビューに応じ、売春禁止法制定でトルコ風呂を最初に名古屋につくった(許した)のは自分だがこんなこと(たくさんできちゃった?)になるとは思ってもみなかった・・と後悔の念を言っている。そして中ピ連の榎美沙子もインタビューに応じている。wikiでみると現在消息不明だそうだ。1945年生まれ。彼女が活躍したのは私が小学生くらいの頃だ。

漫画家の黒鉄ヒロシも登場、トルコに関して彼の持論を述べている。

 

見終わってみると貴重な映画かもしれないと思った。