日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

サンダカン八番館 望郷  1974年 松竹

監督 熊井啓 脚本 広沢栄 熊井啓 原作 山崎朋子

出演 栗原小巻 田中絹代 高橋洋子 水の江滝子 小沢栄太郎 田中健 浜田光夫

   岩崎加根子 菅井きん 岸輝子 山谷初男 中谷一郎

 

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アマゾンより

 

アマゾンプライムで無料視聴♪ ずいぶん前にもみたことがあるが泣いちゃうのでまた見るのを躊躇した映画。でやっぱり泣いたよ((;'∀')

 

記憶と違ったのは田中絹代がボロボロの家でボルネオ時代のことを語るのだが最初のほうだけであとは回想シーンだけと思っていたが、記憶違いでひとつの話が終わるとまた栗原小巻と話す場面になるってこと。

また若き田中絹代高橋洋子)が日本へ帰っても良い顔はされず、座敷へでて酔っ払い、ボルネオで世話になったキクさんから分けてもらった指輪をばらまくシーンはなぜかずっとボルネオの道でばらまく・・・というふうに記憶が変わっていた。

なぜ?(笑。

 

水の江滝子がカラユキさんたちから慕われるキクというおばぁさんなんだけど

セリフはやはりうまくないけど水の江滝子のでた映画の中ではこれがダントツの一番!

あの貫禄といい、美人なおばぁさんぷりといい最高だった。それに死に際がよい。

日本へ帰っても良いことなんかないから、みんな帰っちゃいけないよ という。

 

最後も泣かせる。

田中絹代から話をきいた3年後、栗原小巻はサンダンカンのあった町を訪れ、そしてキクさんがサンダンカンの裏のジャングルを切り開かせて建てたというカラユキさんたちの墓地を探しに行く。やっと見つけた墓石。キクさんの墓もある。そしてその墓石は日本に背を向けて建っているのだ!(泣けるよ)

 

原作者の山崎朋子さんは2018年に亡くなった。彼女のサンダンカンまでという私小説?も読んだことがあるが面白かった。

 

高橋洋子が14才からを演じているが、彼女の童顔で違和感がない。兄の浜田光夫も違和感なし。さらに時が経って30近くになった高橋洋子、老けた兄の感じもよくでていてびっくり。特に高橋洋子ってすごいな。若干21歳なのに日本に帰ってきた時のあの感じ。

 

田中絹代って案外美人なんだと思ったのが実はこの映画。汚い老婆だが鼻筋が通って横顔なんか見とれる。64才くらいであんな老婆って・・・年齢が私と近いんだが。

 

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