日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

事件記者 8.狙われた10代 1960年 日活

監督 山崎徳次郎 脚本 西島大 山口純一郎 若林一郎

出演 沢本忠雄 山田吾一 永井智雄 大森義夫 高城淳一 滝田裕介 

   二本柳寛 清水将夫 宮崎準 原保美 相原巨典 相馬千恵子 

   高原駿雄 外野村晋 深水吉衛 園井啓介 綾川香  木島一郎

           堀恭子 草薙幸二郎 小園蓉子 杉山俊夫

 

www.nikkatsu.com

深夜の神宮外苑で若者たちがオートバイでスピードを競っている。

一着になれば兄貴分の健次(草薙幸二郎)から金がもらえる。

大学浪人中の忠夫(杉山俊夫)が健次の情婦、弘子(小園蓉子)に急かされ、レースの参加したが、道路を横断していた学生を轢いてしまう。

ピクリとも動かない学生を忠夫は救急車を呼ぶんだというが、兄貴分の健次がそんなことをしたら捕まってしまうといい、みんなで逃げ出す。

 

忠夫の父は元軍人で日本軍の拳銃をまだ保管していた。娘の澄子(堀恭子)はフラフラしている弟の忠夫が心配でならないが、忠夫は健次から2万円を強請られ、もってこないならひき逃げのことを警察にバラスと脅されている。あの学生は死んだと聞かされた忠夫は姉の預金通帳を盗もうとするが父親に見つかってしまう。そんな中、兄貴分の健次は忠夫の家へ侵入し、手入れの途中だった拳銃を盗む。

 

学生がひき逃げされた事件は、カミナリ族の捜査のために新聞記事には載らず、

世間には知られていない。警察と新聞社の協力によって伏せられているのだ。

 

兄貴分は忠夫を脅して強盗の見張りをさせる。嫌がる忠夫だが、学生が死んだことで

絞首刑だなどと言われ見張りに立つ。

盗んだ拳銃を使い、健次と弘子は深夜、駅でお金の精算をしているところへ強盗に入る。

駅員をおどし、金を強奪するが駆けつけた派出所の警官ともみ合いになり、拳銃を発砲。警察官はその場で死亡。

 

撃った拳銃は旧日本軍のものとわかる。それが新聞記事に載ると、忠夫の父は自分のものだと警視庁へ出向く。

現場に残された指紋から前科のある健次の仕業とわかるが、忠夫も父が警察へ行ったと知り、情婦の弘子のアパートへ知らせに行く。逃げるという弘子と健次に忠夫も自分も連れて行ってくれと頼むのだった。

 

菅(沢本忠雄)は若者が集まるバー?で潜入し、健次が九州へ逃げるためにその夜、カミナリ族を集めてレースを開催するという情報をつかむ・・・

 

若者に溶け込んだ菅(沢本忠雄)の行動。後を追った高原駿雄はおじさん記者なので

そのバーへ行っても味方してもらえず、沢本は若者が座っているカウンターの後ろに隠してもらえたという対比が何気によかった。