日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

燗 1962年 大映

監督 増村保造 脚本 新藤兼人 原作 徳田秋声

出演 若尾文子 田宮二郎 水谷良枝 船越英二 丹阿弥谷津子 藤原礼子

   浜村純 殿山泰司 倉田マユミ 市田ひろみ 中条静夫 

 

水谷良枝・若尾文子

若尾文子が浮気されてしまう!天下の美女でも浮気されちゃうのか!

 

キャバレーでナンバーワンだった増子(若尾文子)は羽振りの良い外車営業マンの浅井あ(田宮二郎)に囲われている。彼女は浅井に妻がいると知ったのは最近のことだった。浅井は妻と別れるというが、増子はそんな妻はかわいそうだと思ったりする。

 

家へ4日ぶりに帰った浅井に妻の柳子(藤原礼子)は詰め寄る。そんなお前が嫌いなのだと拒否する浅井を追い駆ける柳子・・・結局 浅井は慰謝料200万円を払い柳子と離婚し、すぐに増子と籍をいれた。妻となった増子のことを増子の同僚だった雪子(丹阿弥谷津子)は羨ましいという。彼女の夫、青柳(船越英二)は売れない作家で貧乏暮らし、たまに増子から金を融通してもらう雪子だ。

 

ある日、福島の田舎から姪の栄子(水谷良枝)がでてきた。なんでも田舎ですすめられている縁談も嫌だし、洋裁学校へ行きたいというのだ。

結局、英子と浅井、3人で暮らすことになった増子。

そこへ増子の兄で栄子の父が上京し、増子は田舎へ連れ戻される。

田舎でお見合いさせられたが真面目で広大な果樹園をもつ男に興味がない栄子はまた東京へでてきてしまった。

増子からしても申し分のない男との縁談を嫌だという英子。

 

おなじキャバレーの同僚で今は金持ちのおじいさんの妻となった芳子(弓恵子)に赤ちゃんができたと知った増子も子供が欲しいとふと思った。過去、妊娠しないようにした身体だが、芳子が診てもらっている医師を紹介してもらい、半月ほど入院すれば妊娠できる身体になるというので早速入院した増子だが、見舞いに現れた栄子の様子をみて

増子は急遽、アパートへ帰る。

そこでみたのは栄子と浅井の浮気現場であった!

この時の若尾文子が怖い(笑。

 

アパートにはもうおけないと栄子を追い出した増子だがうかうかしていると男を取られると雪子から言われ、英子を福島の縁談のあった男と結婚させようとする。

脅して暴力で屈服させるのだ。

しぶしぶ承諾した英子。結婚式は東京で挙げることになった。ところが結婚前に栄子は浅井の会社を訪ね、また関係を結ぶ。栄子も栄子だが、浅井も浅井だ(怒

 

無事結婚式をすませ、そのまま新婚旅行へいく栄子たちを見送り、浅井と栄子はアパートへ帰り、お茶を飲む・・・

終わり。

 

音楽といい、画像といいとにかく暗い映画。

浅井の最初の妻は岡山の田舎に帰り、気が狂ったあげく死んじゃうし(;^_^A。

 

中条静夫田宮二郎殿山泰司・藤原礼子

ところで増子・浅井・栄子の3人で浦和?でうなぎを食べに行くシーンがあるが、これが一皿一人前ってすごく多いよね!

うなぎがこれだけのった皿が3枚

しっかりその店の名前もアピール・・する代わりに撮影を承諾させたのだろうか・・

 

なんとこのお店、現在も(多分)同じ場所で営業してます。当時は藁葺きです!

1962年の小島屋