日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

夢に見た日々 第4話 店の名はテラス  1989年11月9日 テレビ朝日

演出 北島隆 作 山田太一

出演 千葉真一 桃井かおり 佐野量子 坂上忍 三崎千恵子 中島唱子 なぎら健壱

   谷村昌彦 幸亜矢子

桃井かおり千葉真一

 

この回はドラマ冒頭に前回、川に飛び込んで助けられた大沢由里(幸亜矢子)がお店に訪ねてくる場面から始まる。そこへ洋子(佐野量子)が工務店との打ち合わせで来たところでハチアワセとなり、従業員で定時制高校へ通う永井正美(中島唱子)、おばちゃんの川口松江(三崎千恵子)、バイト大学生、早川重彦(坂上忍)、シェフの倉橋辰次(なぎら健壱)、洋子の5人で由里を元気づけ、また遊びにくればよいというが、逆に由里に「みんな本当のことを言ってくれない、きれいごとばかり言う」と反発され、怒ったシェフは彼女を怒鳴りつける。しかし、早川は彼女の気持ちがわかると言い、この店の人たちは特別であたたかいところだから安い時給でも働いているのだという。

なんと時給400円!なんですが、1989年頃の時給は普通、700円だった記憶。400円はいくら店の人たちが良い人でも安すぎる(;^_^A。

この回の最後のシーンにその彼女が公園から店をのぞいているところが映るが、その後の回で彼女の出演はないのでいらない?シーンかとも思った。今回は演出が北島隆という人で、深町幸男ではない。

 

佐野量子

 

そこへ多恵子と工務店の人たちが来て打ち合わせをするが慎作は営業で店にいなかった。打ち合わせが終わり、慎作の部屋で待っていると彼が帰ってきた。宴会の予約が取れそうで取れなかったという慎作はダメだった理由ばかり口にする。慎作が仕事から逃げていると思う多恵子はベンツを所有してフランス料理を食べに行く(最初に慎作と出会ったところも高級フランス料理店)慎作にそのことをイヤミっぽく言ってみたりするが、慎作は営業で客にへりくだった時、自分を取り戻すために行くレストランだし、ベンツを売り払ったら自分はただの飲んだくれだという。多少の贅沢はね・・・と言う慎作だが多恵子はなんとなく不満だ。

 

店を新しくしたら多恵子は太った正美、おばちゃんの松江、シェフの倉橋を辞めさせるつもりだが、洋子は反対する。彼らは良い人だからというが多恵子は聞く耳をもたない。それでもしつこく食い下がる洋子に、多恵子は慰謝料500万円もらったから銀行辞めるんでしょ?と言う。誰も知らないと思っていた洋子はビックリしてそんな噂どこで聞いたのか?というと多恵子は支店で太田が言いふらしているからみんな知っていると答える。言葉がでないほどショックを受け、打ち消そうとする洋子に畳みかけるように多恵子はいくらもらったの?と訊かれ500万円なんてそんなにもらってないと言ってしまう。そして自分が150万円出資するから彼らを辞めさせないでと頼む洋子だった。

その晩、店を訪れ、慎作にそのことを話す。多恵子は洋子の出資はありがたいが、従業員の首切りに反対する彼女は邪魔でもあるので彼女を切ろうとも思うというと慎作は今まで洋子も頑張ってきたのにそんなことをしてはいけないと反対する。それを聞いて多恵子はそれなら洋子とふたりでやれば良い、自分は降りる!と帰ってしまうのだ。

 

それから・・・工務店と打ち合わせする洋子の姿があった。彼女は資金を出し、降りた多恵子の代わって経営に参加する。銀行は辞めた。奮闘する洋子だが従業員のおばちゃんたちは心配する。それにあんな若い子からお金をだしてもらう慎作も情けない。

 

佐野量子・谷村昌彦

洋子は段々不安になってくる。多恵子がいた時は順調にいくと思っていたが、なんだかとても成功するとは思えない。全てひとりで決めなくてはならず、わからないことばかりで慎作に思わず本当の気持ちを言って号泣してしまう。

その夜、慎作は多恵子のマンションを訪問した。店のことではなくて、多恵子に告白したい慎作だが、多恵子が気をまわして突然やめて引継ぎもしていなかったと慌ただしく改修に必要だった連絡先をメモしたりして慎作に渡す。多恵子は店の名前候補として「テラス」なんていいと思ったというと、慎作は即答。別れ際、やっと「君と付き合いたい」と言えた慎作に多恵子は「伺っておきますっ」と答える。半分ふざけているようにも見える。

店の改装はすすんでいる。慎作は洋子に多恵子はきっと店に来ると言ったが、4日経っても5日経っても彼女は現れなかった。

佐野量子三崎千恵子千葉真一

 

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