日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

肉体の密輸  1956年 日活

監督 阿部豊 脚本 陶山鉄

出演 水島道太郎 渡辺美佐子 河野秋武 二本柳寛 三崎千恵子 近藤宏

   佐野浅夫 山岡久乃 松下達夫 青木富夫

 

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日本映画専門チャンネルで「クヒオ大佐」をみた。これは私も知っている結婚詐欺師の実話だがそれを元にした創作で案外おもしろかった。

クヒオ大佐が逆に被害女性の弟に脅迫されてお金を脅し取られたりして笑う。

 

で、「肉体の密輸」

名前の通り横浜で売春をしている女性達を海外へ売ろうと企む一味とそれを追う海上保安庁の保安官の潜入捜査を描いた作品。

 

港町にふらりとやってきた水島道太郎。彼は密輸組織を追う保安官であるが船員を装いある組織を追っている。

港の女たちは三崎千恵子の経営する館から売春のために各船へ出勤していく。今でいうホテトル?か。

 

この時代、河野秋武の仕事ってなんていうのだろう。港に停泊している外国船へ人間を運ぶ船の船長だ。

そこへ一人娘の渡辺美佐子が帰ってくる。

 

二本柳寛は売春組織?のボスでその配下に佐野浅夫近藤宏の若い者がいる。

さらに二本柳の愛人?が山岡久乃だった。

 

水島道太郎が他の捜査官との連絡の時の言葉が豆腐に関する言葉というのが時代を感じる。それに豆腐売りに扮している同僚。いま自転車で豆腐を売りに来るなんてない。

いや私が小さい頃に田舎でみたことがあるが東京では少なくとも私のいた町ではもうなかった。

 

三崎千恵子の出番がなかなか多く、寅さんの気のいいおばちゃんイメージからするとビックリするほどの変わりよう。

 

女性を香港あたりに売り飛ばすという物語が結構ある。特に新東宝で見た(笑。

これは日活だからそのはしりだろうか。

 

最後の終わり方がなかなか洒落ていて、渡辺美佐子にプロポーズした水島。

渡辺の父、河野秋武も水島の本当の姿を知って喜ぶが渡辺は自分の過去を白状し、水島の申し出を断るのだ。父親も娘の切ない気持ちを思い、水島に出て行ってくれという。

水島はその場を去り、夜の橋を渡る・・・のだが元来た道を引き返すというところで終わり♪

 

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日活より