日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

女の一生 1953年 新東宝

監督 脚本 新藤兼人

出演 乙羽信子 日高澄子 杉村春子 山内明 進藤英太郎 千田是也 宇野重吉

   英百合子 菅井一郎 北林谷栄 花岡蘭子 轟夕起子 東野英治郎 清川玉枝

   利根はる恵 三井弘次 殿山泰司 奈良岡朋子

乙羽信子・日高澄子

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1時間9分ほどで「一生もの」の作品ではいくらなんでも短すぎる。

乙羽信子生誕100年を記念。高峰秀子と同じ年齢ですが、丹阿弥谷津子1924年生まれで6月25日にめでたく100歳を迎えました!長生きです。

 

昭和のはじめ、京都の寺の娘、白川藤子(乙羽信子)は牛鍋屋山崎亭の跡取り息子の真太郎(山内明)と念願かなって結婚した。嫁入り先の義父(進藤英太郎)も義母(杉村春子)も藤子には優しく、良い人であったが、義父が囲っている二人の妾に季節の進物を届けに義母の代わりに行かされた藤子は疑問に思う。義母もなんとも思っていないようで、宴会に妾二人も呼んで楽しんでいる。

その後藤子は身ごもった。ところが夫の真太郎と女中の川上ゆき(日高澄子)との仲を目撃し、その関係は藤子の嫁入り前からだというのもわかった。さらにゆきは真太郎の子供も宿しているのだ。そのことで実家の寺へ帰った藤子だが、仲人婦人(清川玉枝)が迎えにきて説得される。そんな中、京大に通う兄が警察へ連れていかれる。(彼は共産党に関係しているらしい)

藤子は男の子を産んだ。太郎と名付けられた。時期を同じくして里へ帰されたゆきも男の子を産んだという噂をきいた藤子は義父母の反対も押し切り、ゆきのために結婚を世話し、結婚式もだしてあげた。里子に出されるはずだったゆきの息子は藤子が育てることにして次郎と名付けた。藤子を恨んでいたゆきは藤子の優しさに心打たれる。

山内明・乙羽信子

それから数年経ち、藤子は忙しく働いている。真太郎は何が不満なのかまた放蕩が始まったが、祇園祭の日、愛人の部屋で殺されていた。

 

昭和17年の夏。太郎、次郎は学徒動員され、その後戦地へ。義母はすでに亡く、義父と暮らす藤子だが、もう食料が手に入らず、牛鍋屋は休業せざる得ない。そんな時代だが、義父の妾ふたりの生活費はなんとかしている藤子だった。ところが義父が妾の家で倒れ、亡くなる(多分)。

終戦。まだ戦地に行った息子たちは帰ってこない。そもそも生きているのかもわからない。そんな中、ゆきが訪ねて来た。彼女は大阪で闇物資を扱っており、牛肉はなんとかするからまた牛鍋屋をやって欲しい、そして自分も使って欲しいと頼みこみ山崎亭は再開した。店は繁盛しさらに月日が流れた。戦地から帰った太郎(いつ帰った?w)は母が忙しく働いているのをしり目に座敷でブラブラしている。そして女中(奈良岡朋子)に無理やり乱暴を働く。その場面に出くわした藤子にたしなめられると太郎は出て行ってしまう。

・・というところで終わる。

で、次郎はどーしてるの?が第一に謎。

警察に逮捕された(と思われる)兄(宇野重吉)が戦時中にまた特高警察に逮捕されて連れていかれるのですが、そこは藤子の嫁入り先の山崎亭。どーしてそこにいるの?も謎でした。

乙羽信子も日高澄子も娘からおばさんまで演じたけれど、ふたり共、どの時代も違和感なかった。ただ、乙羽信子が嫁入りの晩、寝床へ入る前に入浴するシーンがあるんだけど、そのシーン(上から湯舟につかっている)いるの?そして乙羽信子が出産中、産みの苦しみのシーンで変な顔をさせている(新藤兼人の指示だ!)のってアリ?70分に満たない作品なんで最後の尻切れトンボみたいな終わり方の工夫がその入浴・変顔シーンを無くせばできたんじゃないかと思うんですけど。

 

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