日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

迷惑な終活 内館牧子 講談社 2024年

 「迷惑な終活」というタイトルだったので”こういう終活は周りに迷惑だからやめましょう”的なハウツー本かと思い、図書館で予約したのが半年以上前。かなり人気があるようで30数人以上の待ちがありました。そして・・予約したのも忘れていた一昨日、「用意できました」とのメールがあり、借りました。

なんと小説でした。巻末にベストセラーとして「終わった人」「すぐ死ぬんだから」

「今度生まれたら」「老害の人」というタイトルの定年・終活・老後・シニア小説といった著者の宣伝が並んでいました。なるほど、だから借りたい人がたくさんいたのね。本の処分をしてからは借りることにしています。ただ読みたい本が図書館にあるとは限らず、あったとしても人気がある本だと読めるのは半年後・・wそこは悩ましいところです。そういえば昔「女帝 小池百合子」という本も借りようと思ったらものすごい人が予約していて(しかも20冊くらい所蔵しているのに)、予約やめたことがありました。今ならすぐ借りれますが、タイムリーではないですよね。

久しく小説は読んでおらず、最初はよくても途中からつまらないと感じると読む気がなくなっていた(集中力も?)昨今でしたが、引き込まれるように最後まで完読。

脚本で有名な方なのでドラマにしても十分いける。

主人公は後期高齢者となった75歳の男性。横浜の郊外に庭付き一戸建てを構え、専業主婦だった妻と二人で暮らしている。長女と長男は独立し、孫もいる。妻は世にいう終活をしており夫にも勧めるが、彼にそんな気はサラサラない。

しかし!ある出来事をきっかけに彼は自分なりの終活をするのだ。それは世間で言われているような、周囲に迷惑をかけないためではない「自分のための終活」なのだ。

この6月でワタクシも年金がもらえる高齢者となります。主人公は私より10歳年上ですが、私もこの男性が過ごしたと同じような社会の常識の中で生きてきました。

表面では絶対に語られない社会の本音がチクチク書かれていて面白い。女流作家って結構辛辣なんですよね。男性作家と比べて容赦ない気がする。山崎豊子有吉佐和子林真理子・・・男性のほうがよっぽど優しい。

あとがきで、終活は「他人軸」ではなく「自分がやり残したことをやること」だと思い、この小説を書くにいたったという。彼女は1948年生まれのまさしく後期高齢者だ。終活というと残された者が困らないようにするのが終活と思い込んでいましたが、この小説を読むと違うことに気付かされました(;'∀')。

で、ワタシの心残り、第一弾として、家人がテレビショッピングで買った(しかも2台も!)吸引力が弱く、数回使うと毛が絡まって使い物にならないスティック掃除機を捨てるべく、粗大ごみに申し込みました。ずっと使わずに玄関のクローゼットの中に立てかけてあったやつ、捨ててやる。さらに、植木剪定バサミの長さ65センチの大きいやつも捨ててやる!この鋏は枝切りじゃなくて形を整えるために葉っぱを切るためのもので形だけみて用途がわからないままヤツが買って結局使い物にならないまま階段下の納戸にず~~とありました。あのテレビショッピングってほんと、使えないもんばっかりなんで売るんだろう??構成がうまいからついグラっとくるものもあるけど、私は騙されないもんね。・・・ってこれやっぱり他人軸の断捨離?いや、ほんとに邪魔なの!