日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

あしたの花嫁  1962年 日活

監督 野村孝 脚本 棚田吾郎

出演 吉永小百合 浜田光夫 岩本多代 宇野重吉 村瀬幸子 清川虹子

   奈良岡朋子 北林谷栄 南寿美子 下条正巳

 

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吉永小百合の短大?の先輩で酒造会社の娘を演じた女優さんの名前を初めて知った映画。テレビの中年女性?でよく見た顔だった。若かったけれど(当時22歳)、ほぼ顔が同じ(笑 だったが名前は意識したことがなかった。wikiで調べたら今年(2020年)8月19日に自宅で死亡していた(遺体発見日が8月19日であった)。

 

小豆島で雑貨を扱う店の娘、吉永小百合は母、奈良岡朋子が通ったが、結婚のために中退した女子短大へ入学するため学校の寮へはいる。

明るい吉永は学園でもうけがよく、なかでも酒造会社の娘で吉永より1年先輩の岩本多代と仲良くなる。

 

吉永の幼馴染でオリーブ畑で働く浜田光夫は吉永に付き従う?優しい青年だ。

 

吉永は岩本の家へ遊びにく。母亡きあと、岩本の父は妾と一緒になり今はその人を(南寿美子)ママと呼ぶことに反発を感じる岩本。吉永は父をはやくに亡くし、お互い同じねと笑いあう。岩本義理の母に対する気持ちを吉永はそんな真剣にとらえない。まして母はおんなだから再婚などしない・・などと思っている。

 

母には昔結婚を反対された宇野重吉がいる。ある日宇野と再会した母は宇野の妻も子供も死んだと聞いて、心が揺らぐ。

夫の墓参りで吉永に、あなたも神戸のおばさん(清川虹子)だけじゃなくて男性の頼りになる人が必要なんじゃないか・・などと言ったりする。

それをきいてなぜか「そんな人必要じゃない」と口答えしてしまう吉永。

 

盆踊りで突然の雷雨となり吉永と浜田は雨宿りをする。雷が鳴る。吉永が浜田に怖いといって抱きつく・・・みつめあう二人・・・浜田が顔をよせる・・・口づけか!と思ったが、さすが吉永小百合(笑、逃げてしまうのだ。

 

神戸に納金にいくといった母はその晩帰ってこなかった。

祖母は訪ねてきた清川虹子にこのまま宇野重吉とどこか行ってしまうのではと心配しているのを吉永は耳にしてしまう。

 

翌朝、吉永に岩本が自殺という電報が届き神戸へ急ぐ。そこには偶然神戸へ行く浜田が乗っていて声をかけられた吉永は疲労と安心で失神。

 

病室で命を取り留めた岩本に義母はどうせわざとやったのだと言ったりする。

 

目覚めた岩本を励ます吉永。そこへ浜田が来て、宇野重吉に会えという。

宇野は僕は東京へ行きます。母と会ったのもお別れするためです。もうあなたに会うこともありません・・・といって去る。

「さよなら!あの人、後頭部が薄かった」という吉永に浜田は憤慨する。

 

小豆島へ帰る前にお土産を買うのだと浜田を連れていき、選んだのが清水焼の夫婦茶碗・・・それをみて浜田は吉永は母の再婚を認めたのだと喜ぶ。

これも買っちゃおうと吉永が浜田に差し出したのはもう一組の夫婦茶碗の男椀で

びっくりする浜田に「何か言いなさいよ、恥ずかしいじゃないの!」と照れ臭そうにいう。

 

吉永から浜田にプロポーズという予想外の展開。

爽やかな青春映画でした。