日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

君死に給うことなかれ  1954年 東宝

監督 丸山誠治 脚本 丸山誠治 西島大

出演 池部良 司葉子 若山セツコ 土屋嘉男 志村喬 英百合子 菅井きん 

   出雲八重子

 

司葉子が新人の映画。(デビュー作?なのか)

ただ、つまらない(笑。

 

丸山誠治は戦前のフランス映画に憧れて監督になった人だという。

 

敗戦の色濃い戦争末期、池部の母、英百合子が入院している病院の看護婦が司葉子

英は病院の防空壕であっけなく死んでしまう。

池部の友人で軍人の土屋は、自分の妹、若山セツコと結婚してほしいと池部に言うが、

池部はなかなか承知しない。(なにかと理由をつける)

実は池部は司と付き合っており、若山セツコとの縁談には乗り気ではないのだ。

 

いじわいるい看護婦の先輩、菅井きんは池部が病院に訪ねるのを快く思わない。

司は池部にはなにも言わず、故郷の広島行きの列車に乗る・・・。

それを知った池部は同じ列車に飛び乗って司と再会。途中空襲で列車がとまり、

池部と司はお互いの将来を誓い合うが、そこへ池部に召集がきたと電報が・・・。

 

ここで??なのは看護婦の菅井きんは確かに池部の訪問を快く思っていないのだが、司が広島へ帰ってしまうほどの意地悪はしていない・・・と思う。

 

それから5年・・・

終戦後、池部は行方知れずの司を探したが、結局わからず・・・。

 

司は原爆で顔にケロイドがあり、マスクをして乳児院?で働いている。

乳児院の先生?志村喬は司の原爆症?の治療を東京でみてもらったらと提案するが、

司は池部と会う可能性が怖くて躊躇する。

意を決して東京の病院へ行ってみてもらう。そこは司が勤めていた病院だった。

医師たちの話をドア越しにきいた司・・・ケロイドより後の白血病がこわいな・・とい言葉に自分の命は長くないと思う。

 

看護婦の案内で雑誌社のインタビューを受けてくれと別室に行くとそこには記者?となった若山セツコがいた。

逃げる司を追い、若山が池部と結婚することになったが、随分あなたを探したこと、

池部は本当は司と一緒になりたいことというと司は自分は池部と会いたくないから今日会ったことも内緒にしてくれという。

 

池部のいる国会図書館?(勤めてるのか?研究者としてなのか)へ足を運んだ司。

ちょうど池部の姿が!気づく池部・・・逃げる司。

階段を上から撮ってまるで外国映画のよう。

 

結局司を見失った池部に、後日若山が司に会ったことを伝える。

 

司を訪ねて

乳児院に行くが、司は一週間前に辞めたと言われるが、池部を気の毒に思った志村喬

信州の結核療養所?にいることを教える。

「でも、僕なら相手のことを考えて会わない」と一言。

 

それでも昔から強引な池部は信州へ会いに行く。

 

司の顔(右側)にはケロイドがある(設定)らしいが、見せない。

マスクをしている場面でも司の顔が美しいばかりでわからない(笑。

 

君は僕の言うとおりにしていればよいのだという池部、素直にうなずく司・・・

はええええ?な感じもしたが、時代が昭和29年だから許そう(笑。

 

司は池部と一緒になる決心のようだが・・・池部が悪夢で目覚め、司の部屋へ行くと

窓が空いていて司がいない。

司は川へ飛び込んでいた!

 

川へ入り、司を抱きかかえて岸へあがる池部に後から来た医者?が

大丈夫、息があるといい、

池部は司を抱いたまま歩いて行く・・・みたいな物語だが・・・

 

見方を変えれば池部良、ストーカーだし(笑。

自分の顔の傷をみせて・・・とかのクライマックスもなく・・・

 

ただ、最後の池部はまるでガイジンのようなカッコよさだった。

自殺しようとした恋人を抱いて歩く男性が似合うのは当時池部良以外には考えられない!