日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

面影 1948年 東宝

監督 五所平之助 脚本 井出俊郎 原案 五所平之助

出演 龍崎一郎 菅井一郎 濱田百合子 若山セツコ 赤木蘭子 笠智衆

   

 

久々に五所監督の映画をみました。

 

菅井一郎の下で働く龍崎一郎は死に別れた妻がいる。

夏に菅井の家で過ごすことになった龍崎は菅井の年が離れた妻、濱田百合子をみてはっとする。彼女は亡き妻にそっくりだったからだ。

 

濱田百合子には同居する姉で学校の先生?の赤木蘭子とその娘、若山セツコと小さい息子がいる。

菅井と濱田は龍崎に若山セツコと結婚しないかともちかけるが・・・

濱田のことを思う龍崎は苦しむが、ある日、遠回しに自分の気持ちを打ち明ける。

 

菅井は年若い妻が自分と一緒にいて本当に幸福だろうか、と考えることもある。

 

そして濱田は龍崎によって「自分は本当に幸せなのだろうか・・」と心揺れ動く。

 

まぁ、五所平之助だから最後は爽やかな終わり方です(笑。

 

出演者が少ないのが凄いと思った(笑。戦後3年だから予算もなかったのか。

 

濱田百合子というとわがままな女性役しかみたことなかったけれど、ここでは貞淑で優しい妻を演じている。お化粧も控えめで、龍崎、若山セツコと海水浴で(海辺の豪邸に住んでいる)水着姿になるのがご愛嬌。ついでに若山セツコはなんとセパレーツというかビキニ姿なんだけれど、全く嫌らしく感じないのは痩せてて胸もなく、まるで小学生のようだからか・・(笑。

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若い3人が海水浴に行くが・・

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また泳ぎに行った二人を見て菅井もステテコ姿になる・・

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結局、妻と龍崎をただ見ていることになる。

菅井が妻と龍崎のふたりの若さにどう思っていたのか気になる場面でした。

 

映画の冒頭で若山セツコが叔父(菅井)の滞在するホテルを訪ねる場面ではなんとミニスカート姿!だけど、ほんと、小学生のように小さくて童顔だ。

 

菅井一郎のさりげない演技が二重丸!これが別の俳優、例えば山村聰だったらどうかな。

龍崎一郎の男っぷりも良い(笑。

 

「アランの幸福論」という本を濱田と菅井の結婚記念日に龍崎がプレゼントするのだが

それは五所監督のアイディアだろうか。

 

夏にみるのがぴったりな小品でした。