日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

拝啓 総理大臣様  1964年 松竹

監督 野村芳太郎 脚本 野村芳太郎

出演 渥美清 長門裕之 壺井文子 横山道代 宮城まり子 加藤嘉

   山本圭 原千佐子 千石規子 穂積隆信 三津田健

 

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拝啓 天皇陛下様、続 拝啓 天皇陛下様、そしてこの3部作だそうだ。

今なら差別満載で映像化できないだろう(笑。

 

渥美清は売れない関西の漫才師、師匠の葬式から始まる。場所は天王寺

一方、元相方だった長門裕之は東京でムーラン・ルージュという夫婦漫才で大人気。

そんな相方を頼りに東京へ出て来た渥美だが、長門横山道代夫妻からは歓迎されない。やっと紹介してもらった仕事はヘルスセンターのかまたきだった・・・。

 

一方、黒人との間の娘、壺井綾子は面倒をみてくれた祖母が死んで京都から母の姉、宮城まり子を頼って出てくる。場所は釣りバカでもおなじみの品川近辺。

しかし、貧乏所帯で、飲んだくれで働かない加藤嘉と子供達、加藤嘉の妹の千石規子がいていたたまれない。

そんな壺井文子京都から出てくるとき、大阪から乗った渥美清とたまたま汽車で乗り合わせたのだった。

 

渥美は壺井を誘って旅役者の一団となる。漫才をしたい渥美は相方を壺井にして漫才をするのだが、慣れない壺井は客席からのからかいに本気で怒ってしまう。

 

ある日、東京の長門裕之から連絡があってテレビにでれることになった渥美。

なんと壺井をそのまま置いてきぼりにする(けっこういい加減 笑)

 

長門は自分の浮気が原因で妻、ルージュと別れるつもりで相方に渥美を誘ったが、テレビ慣れしていない渥美がドジで、その上妻のマネージャーからまだ仕事がしたいなら渥美との仕事をするな・・・と暗にほのめかされ長門は妻と元通り(これもいい加減な男だ)。

長門の愛人だった原千佐子には下半身不随で寝たきりの弟山本圭がいる。

原は長門と別れ、弟は義肢を作るために病院を退院し明るく生きていく・・みたいな(よくわからない 笑)。

 

壺井文子は一度、宮城まり子に本当は自分の母ではないかと聞いたが宮城まり子は違うという。ある日、宮城はアメリカ人の車にひかれ病院へ。意識不明で口走ったのが壺井のことだった。慌てて駆け付けた夫、加藤嘉アメリカ人は見舞金だと50万円を渡すと嬉しがる加藤嘉。この時のやり取りがおもしろかった。

警察官役で穂積隆信

 

壺井も旅先から駆け付け、加藤嘉宮城まり子の娘だと知れる。「パンパンだ!」と怒る加藤嘉。そして意識が戻った宮城はまた自分の娘ではない・・と言うのだった・・。

 

(なんだかわからないが)今度は夫である加藤嘉が車にひかれ、あっけなく死亡。

保険金を受け取る宮城と千石だが、過失があったと満額受け取れない皮肉。

 

そして宮城まり子は自分が悪かったと反省(したんだっけ 忘れた笑)。

 

もう一度壺井文子とコンビを組んだ渥美はヘルスセンターでまた漫才をやるのだった・・。

そして最後に拝啓 総理大臣様、これがあなたを選んだ人達です・・とかなんとか。

 

監督、脚本共に野村芳太郎だが、元のさやに納まる夫婦、結局ドサ回りの漫才師、飲んだくれで交通事故で死んじゃう男、黒人との娘を生んだ女・・そんな人達もあなたを選んだんだからね!と言いたかったのだろうが、あまり出来はよくない。

 

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アマゾンより