日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

猫が変じて虎になる  1962年 日活

監督 春原政 脚本 岩井基成 中川一

出演 長門裕之 小沢昭一 由利徹 南寿美子 南利明 九里千春

 

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なんだか変な映画(笑。

 

ニコニコ生命の保険外交員、小沢昭一は契約をとった年寄りと酒を飲み、お年寄りは酒の飲みすぎで?あっけなく死亡。契約したばかりの客がすぐ死んでしまったことを上司の南利明に叱責され、代わりに寿市という街で保険を売ってこいと言われる。

車中、長門裕之と席が一緒になるが、長門は寿市の顔役で酒屋のボスから雇われた殺し屋だ。

たまたま隣の席に座っていた女医、南寿美子も寿市の住人だったが、小沢昭一はひとめぼれ。

 

町へついた小沢は保険を売ろうとするが、なんとこの町の年寄りはお酒を飲むことで死なない。だから保険など全く興味がないのだ。お酒をやめている小沢は行く先々でお酒を勧められ辟易する。

殺し屋を迎えにきた印刷所の工員が小沢を殺し屋だと間違えてすったもんだ。

長門が横から出てきて殺し屋同士決闘しようと申し出るも、小沢は長門に撃たれてしまう。それを看病したのが列車で一緒だった女医だ。

 

町のボスは由利徹の住む土地を狙っていて、由利を殺して欲しいと言うのだが、

長門と由利は網走刑務所の同胞で気を良くした由利は長門を招いてフグを食べ、翌朝長門が目覚めると死んでいた。そこへ小沢昭一が保険の売り込みにくるが、長門に脅され

町のボスへ伝言を頼む。しぶしぶボスの元へ行くと、ボスは由利の死人が踊るところでも見せろとケンもほろろな対応。

長門の言いつけで酒ももらってこいと言われたが、それどころではなかったので自分で一升買い、長門へ差し出すと長門は酒を飲めと言う。断るが銃で脅され一杯、2杯、3杯・・・すると小沢がガラッと変わり、長門が子分のようになってしまう。

ボスの元へ死人の由利を背負って踊らせるのだと小沢は長門に由利を背負わせ出発。

年寄りが集まっていたボスの家で由利を踊らせるのだが、これは見もの!長門と由利の動きが絶妙でよかった♪。

 

最後はボスから金をせしめた長門、町民すべてが保険に入ってもらえた小沢、そして今は小沢の恋人?となった女医と、長門の愛人の九里千春が意気揚々と町を去り、汽車の中で祝杯をあげる。札束と保険の契約書をつめたふたりのスーツケースの口が開いて

汽車からお札と契約書が舞っていく・・・♪

 

女医役の南寿美子という人は「銀座の女」で芸者置屋の芸者のひとりだったが、wikiで紹介されていないのでその後がわからない。

 

「男にゃ男の夢がある」 スチルより

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南寿美子 長門裕之 森川信