日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

硫黄島 1959年 日活

監督 宇野重吉 脚本 八柱利雄 原作 菊村到

出演 大坂志郎 芦川いづみ 佐野浅夫 小高雄二 渡辺美佐子 高田敏江

   山内明 小夜福子 小沢栄太郎 芦田伸介

 

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ヤクザ、戦争ものはあまり好きじゃないけれど、アマゾンプライムであまり見るものもなくなってきたので鑑賞。日活だし、いづみちゃんだし(笑 で、内容は期待していなかったけれど、脚本が八柱利雄だったので期待感がちょっと膨らみ、監督が宇野重吉と出たときはビックリ。

 特に小高雄二が出演した映画の中では一番よかったと思った。小高ー芦川コンビと想像したら違っていていづみちゃんと小高とは何の関係もなく、日活作品なのにそれも新鮮だった。演出もよくて話に無駄がなく、さらに俳優さんの演技力もあって小品だけれどミステリー、戦争の悲しさ、人間、色々考えさせられるグッドな作品。へー、宇野重吉なかなかでしたわ。

 

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最後にちょっとだけ出演する監督宇野重吉

 

新聞記者の小高雄二はある夜、行きつけの居酒屋で酔っぱらった男と遭遇。その男が大坂志郎。彼は小高が新聞記者だと知ると話を聞いてくれとしつこい。酔っ払いなので小高が軽くあしらうが、しばらくして本当に新聞社を訪ねてきた。ぶっきらぼうに相手をする小高。男は前と違ってしおらしい。男は硫黄島から引き揚げてきたという。もう戦後6年経っている。日本に帰って来たのは2年前だという男に、それまで話を聞こうと思っていなかった小高だが・・・・・

 

ネタバレになるのでアマゾンプライムで見てください(笑。

 

ところで、いづみちゃんは目黒の病院の看護婦なのだが、なんと!大坂志郎にふられてしまうのだ。予想外に良かった。普通いづみちゃんがふる役なのよ、いつも(笑。

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芦川いづみ 小高雄二

 

硫黄島で、皆が焼き殺され、佐野浅夫大坂志郎、ふたりだけ生き残ったが、途中で行動を共にし、けがをした兵隊が山内明なのだが、硫黄島で洞窟暮らしだから顔も体も汚れていて、最後は怪我で寝ている状態なので誰だかわからず、あまりセリフもない役なので無名の人だと思っていた。キャストに役名もでていたので、その兵隊が山内明だと気づいた。なかなか手抜き無しのある意味豪華出演者。そういえば洞窟内で潜んでいる時の司令塔は芦田伸介だったがほんの数秒のみ出演。なんだか田中絹代の「恋文」みたいにキャストが良かった。

 

 

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大坂志郎