日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

ゆがんだ月  1957年 日活

監督 松尾昭典 脚本 山崎巌

出演 長門裕之 芦川いづみ 南田洋子 大坂志郎 三島雅夫 梅野泰靖 

   下元勉 神山繁  赤木圭一郎(新人)

 

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 赤木圭一郎が新人として出演している映画。

 

博多の人形店を経営する家の息子、長門裕之は家の女中、南田洋子と駆け落ちしていまは神戸の組事務所にいる。南田はホステスをしている。

 

ある夜、長門の兄貴分が銃で撃たれ死亡。長門は撃った犯人は同じ組事務所のアニキ、梅野泰靖だと気づくが組の親分、三島雅夫から金をもらい、良心にさいなまれながらも黙ってしまう。

 組はサンシタのチンピラを自首させて一件落着をはかるが、それを追う新聞記者、大坂志郎はある日、長門に質問するのだが、長門は知らねぇよと逃げるのだ。

 

 長門の殺された兄貴分の葬儀の日、東京から妹、芦川いづみが来る。長門は芦川の清潔さに惹かれるが、それを邪推した南田洋子と喧嘩してアパートを出る。

 

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葬儀のあと、長門生駒山?へ行く芦川いづみ

 

どうにも黙っていられない長門は、新聞記者の大坂志郎に真実を話し、兄貴分を撃った梅野泰靖は逮捕されるが、逆に組から命を狙われるので東京へ行くことにする。

東京には大坂志郎の双子?の兄弟でやはり新聞社にいる大坂志郎(二役)の世話で千住のアパートに住むことになるが、そこは芦川いづみの家の近くだ。

芦川はトクホンを作る工場で働いており、ある日芦川の住む長屋へ行った。

長門はなんだかつけられているような気がするのだが・・・。

 

 一方南田は長門を追って千住のアパートを訪ねる。

長門は職をみつけ新宿の倫敦というバーのバーテン見習いをしているが、ある夜自分が追いかけられていると感じ慌ててアパートへ帰って震えているところへ南田が現れたので思わず南田を抱き寄せてしまう。

寄りを戻した二人は同じバーで働く。南田がホステスとしてついた客、下元勉からもらったタバコ・・・そこにはヘロインが入っていて南田はそのタバコ欲しさに下元の言いなりになっていく。

 

 長門は兄貴分の35日だというので芦川の家を訪ねると、そこには芦川の許婚だという赤木圭一郎を紹介される。長門はまだ芦川に好意があったがそれを知って打ちひしがれるのだ。

 

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芦川いづみ赤木圭一郎

一方、南田はまだ長門が芦川を諦められないことを知って破れかぶれになり、下元勉が誘う香港へ行くことを決意する。

 下元勉の悪役ってあんまり見たことがなかった。

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タバコをすすめる下元勉と南田洋子

バーへ殺し屋、神山繁が現れた。神山は無抵抗な相手を殺すのは自分の流儀に合わないと決闘を申し込む。横浜?でピストルを買うために連れていかれたバーで長門は行方不明になった南田洋子を発見する。途中で電話させてもらい、新聞社の大坂志郎へ連絡する長門

 

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殺し屋 神山繫

その後、神山と決闘をした長門は神山をうち倒した。

 

香港へヘロイン中毒にした女性を運ぶ闇組織を解明しようとしていた大坂の通報で警察が駆け付ける!

 

夜空には満月が浮かんでいた・・・・みたいな物語。

 

途中までは芦川いづみの兄のことだが、意外とあっさり解決し、長門は芦川に婚約者がいることを知ったあとはいづみちゃんの出番なし。でもキャストは主役なのでいかにいづみちゃん人気が凄かったかわかるような気がする。

長門に真っ当な生活をするように言う役はいづみちゃんにぴったりだった。

 

新聞記者役の大坂志郎もなんとも言えないいい感じ。

 

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長門裕之大坂志郎

 

考えてみれば、みんな今の私より年下なんだよね(;'∀')

 

白髭橋が映ってました。

 

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白髭橋

やっぱりいづみちゃんは可愛いです。

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白髭橋脇