日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

花のいのちを   1954年 大映

監督 田中重雄 脚本 成澤昌茂 原作 菊田一夫

出演 沢村美智子 菅原謙次 山本富士子 高松英郎 浦辺粂子 星ひかる

   霧立のぼる 松島トモ子 坂口芙沙子 伏見和子 楠よし子

 

 

んー、なんだか「君の名は」よりもっとイライラするすれ違い映画(笑。

 

女学校の同級生の 田鶴子(山本富士子)、綾乃(沢村美智子)、志津江(坂口芙沙子)、みどり(伏見和子)、三保(楠よしこ)は仲良しな5人だ。

田鶴子の誕生日に綾乃は坂上菅原謙次)と知り合う。

綾乃は母が仕立てもので生計をたて、まだ小さな妹(松島トモ子)がいるが母が突然亡くなり、途方に暮れていたが坂上の好意でデパートの売り子として働く。

そこへ坂上が好きだった田鶴子が訪ねてきて、紹介したのは自分なのに坂上と勝手につきあっていると言われ、綾乃は田鶴子に申し訳ないと思いつつ、自分を好いてくれる坂上に惹かれていくのだ。

 

田鶴子の従兄に遊び人の秋彦(高松英郎)がいる。坂上と綾乃のことで面白くない田鶴子は秋彦に誘われ酒を飲みに行くが、秋彦が薬物を飲み物に入れ気づくと秋彦に犯されてしまった田鶴子だった・・・。

 

坂上は兵隊にとられることになり、綾乃を自分の実家へ綾乃の妹と住まわせる。両親にも紹介し坂上は安心して戦地へ赴くが空襲で坂上の両親、綾乃の妹が死んでしまい、綾乃はひとり残された・・・。

 

坂上の生死がわからないまま7年が過ぎた。

戦後やっと日本へ戻った坂上は自宅は跡形もなく、綾乃の行方もわからず、横浜の街を歩くが、ふと目に留まったクラブのポスターには綾乃の女学校の同級生が歌っているとわかり、彼女を訪ねる。するとやはり同級生で今は新宿で飲み屋をやっている志津江のところにいるとわかる。そして田鶴子は有島という名のある紳士と結婚しており、ちょうどそのクラブへ客としてきているという。

綾乃に嫉妬した田鶴子だったが、今は坂上と綾乃になって欲しいと思う田鶴子は坂上と一緒に綾乃を探しに新宿に行くが、綾乃は女将と熱海へ行ったという・・・。

志津江は秋彦にやはり無理やり犯され、今は情婦となっている。秋彦に綾乃を呼び出せと言われ、お金欲しさに秋彦に手を貸すのだった・・・。

 

間一髪で逃げた綾乃は秋彦から逃れるために親戚夫婦のいる信州追分へ行くことにする。汽車の中で偶然知り合った町長の息子で獣医の進(三田隆)に見初められ、叔父夫婦も喜んでいたが、そこへ坂上が急病という電報が届く。しかしそれは綾乃が信州にいると知った秋彦の悪だくみであった。

内緒で東京に行く綾乃・・・田鶴子と坂上はそんなことも知らずに一足違い・・。

家にいた叔母からは綾乃は町長の息子と結婚することになったときかされてしまう。

 

沢村美智子と山本富士子のポスター ヤフオクより

 

東京の宿屋に呼び出された綾乃だが、志津江が経営している温泉マークだった。

女中も一緒になって綾乃を騙し、待つようにいうが秋彦が綾乃を狙っているのだ。

綾乃をどうにかする前に今はすっかり落ちぶれて金に困っていた秋彦は、昔のことをネタに田鶴子の夫を強請ろうと出かけていくが夫からは金もとれずじまいだった。

志津江はそんな秋彦に愛想をつかし、綾乃を騙そうとしている自分の良心の呵責に耐えかねて綾乃を逃がそうとするが秋彦に殴られて卒倒してしまう。秋彦は綾乃に出すお茶の中に薬物をいれており、綾乃を襲う!

 

そこへ綾乃が宿屋にいるときいた田鶴子が訪ねるが、女中はそんな人はいないと玄関で断る・・・帰りかけた田鶴子だが・・・裏口からはいる・・・

 

綾乃を襲っている秋彦が突然倒れ・・・その背後には田鶴子がいた。秋彦がもっていたナイフで田鶴子は秋彦を刺し殺すのだ。

 

収監された田鶴子の元に同級生4人が面会に訪れる。これからは女性同士力を合わせて生きていきましょう的なことを言って 終わり~

みたいな物語。

 

沢村美智子という人が主役らしいが、最後の最後で美味しいところをもっていったのはやはり山本富士子であった(笑。

 

衛星劇場より