日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

アツカマ氏とオヤカマ氏   1955年 新東宝

監督 千葉泰樹 脚本 笠原良三

出演 小林桂樹 上原謙 久保菜穂子 細川俊夫 花井蘭子 三原葉子 相馬千恵子

   森繫久彌 遠山幸子

 

なかなか面白かった。

 

なんと小林桂樹が厚かましい役。

 

本社から営業課員として転任した小林桂樹=渥美謙太郎はその厚かましさでアツカマ氏と呼ばれるが営業成績が良い。上司で営業課長の上原謙=大宅鎌太郎鎌太郎は口やかましいのでオヤカマ氏と呼ばれている。

一番古株の営業マン、細川俊夫は営業成績があがらず、いつも黄昏ているのだ。

 

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細川俊夫と営業周りをする小林桂樹

上原の娘、久保菜穂子。こんな清純派だったのね。小林桂樹はひとめぼれ、なにかと上原家へ出入りする。

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一家総出。久保菜穂子、花井蘭子

支店長の森繁から東京支社の売り上げが悪いから営業社員のうち成績が悪い者をクビにするように言われるが、そんなことは出来ないと支店長と喧嘩してしまう上原。案外部下思いなのだ。

そんなうっぷんをたまに行く銀座のバーのマダム、相馬千恵子に聞いてもらう。

 

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相馬千恵子と上原謙

細川は細川で営業がうまくいかないと行きつけの「銀平」で小林に愚痴る。

そんな細川を慕う銀平の娘は細川のつけをなかったことにしたりする。

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遠山幸子、細川俊夫小林桂樹

上原謙から細川がスクーターをあと3台うってくれといわれ困っていることを知った小林は、細川の営業先でどうしても契約が取れない家3軒を回りうまいこと契約を取り付けそれを細川の成績にするのだが、それを知らない細川は小林に横取りされたと棒で小林の頭を殴る(笑。同じ課の女子社員、三原葉子は細川に事情を説明するのだ。

ここでまだ無名?の三原葉子がでているが、最初は気づかなかった。

 

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小林桂樹三原葉子

一方、三原につきあってもらい、久保菜穂子に贈るためのブローチを選んでいるところを偶然久保に目撃された小林は、久保が勘違いしてしまい、一瞬フラれるのだ。

 

ある日、支社長から叱責で上原が悩んでいるのを知った小林桂樹は営業課員を集め、上原のために営業成績をあげようとみんなの意気をあげるのだ。

一方、間違って小林を殴った細川は「銀平」の娘と結婚して銀平を継ぐ。

 

営業成績がよくなりこれで上原のクビもつながって皆でお祝いをする。その時に課員全員がお金を出し合って上原に腕時計をプレゼント。(ここ、結構泣かせます 笑)

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銀平を継いだ細川俊夫はすっかり元気になった

最初は小林桂樹が嫌いだった上原だが、今は娘に付き合ったら?などと言っているところへ小林が登場。なにかというともう結婚式場を決めてきたという。誰の?ときくともちろん久保菜穂子とのだと答え、おもわず吹き出す母の花井蘭子。どこまでも厚かましい男だった♪

 

ところで三原葉子と営業課員のひとりがデートで歩くのがお堀端。遠くになんと国会議事堂がみえる。

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なんだか懐かしい線路際の道

 

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上原の家は三鷹台にある設定?

 

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細川俊夫は私が好きな俳優のひとりで、こんな役がぴったりな細さでした。

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