日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

警視庁物語 夜の野獣 1957年(12月)東映

監督 小澤茂弘 脚本 長谷川公之

出演 堀雄二 小宮光江 波島進 東野英治郎 松本克平 加藤嘉 花沢徳衛

   山本麟一 大村文武 外野村晋 石島房太郎 片山晃 関山耕二 

   千石規子 稲葉義男 風見章子 須藤健 浜田百合子 冨田仲次郎

  

f:id:nihoneiga1920-1960:20210915111214j:plain

アマゾンより



 

シネスコープへグレードアップされた正月興行映画。83分!

 

出演者の中に浜田百合子の名前を発見。どんな役なのか期待した。

 

今回はスリの話。昔懐かしい丸の内線の車両が出てくる。ついでに丸の内線の駅やホームも見ることができる。冒頭、スリに財布を盗られたサラリーマンがスリ二人を追って駅の改札を出る。これが「小石川駅」となっているが現在の後楽園駅?なのだろうか。

丸の内線に小石川という駅はないけれどあれはどうみても後楽園駅だ。スリを追い詰めた高台から丸の内線とそのホーム(後楽園駅)が見渡せる。いったいこの場所は・・・今の東京ドーム?のあたり?とにかく広大な敷地の高台だ。ロケ地を調べたがわからない。

 

二人のスリを追い詰めたがそのうちの一人に刺殺されたしまう。翌朝、学校へ行く途中の子供に発見され、花沢徳衛はその妻、風見章子へ報告に行くと家には赤ん坊がいた。

茫然とする妻。

 

まず彼の身元から丸の内?の会社へ聞き込み。この時にでてくる会社の同僚の一人が増田順二だった。遺留品に財布がなかったが同僚は彼は財布を持っていたという。いくら入っていたか?と聞く刑事、波島進に同僚は財布の中身まで知りませんとケンもホロロに答え、刑事は色々質問しなければならないので嫌われる・・みないなナレーションが入る。ところどころナレーション入りのこの物語、案外よかった。

 

死体のあった空き地を創作するとイヤリングが落ちていた。その持ち主は届をだしており、刑事の堀雄二が朝、訪問した家には夫 須藤健(今回は夫役でちょっと出演)を見送る妻、浜田百合子がいた。

浜田に警察にきてもらい事情を聞くとなんと浜田、大学生と今でいう不倫。その夜はその空き地で2時間ほど過ごしたという。早速どの大学生を連れてきてその時間の状況を訊くと男がタクシーに乗ったという証言を得る。

浜田百合子の出番はこれで終わり。

 

タクシー会社にあたってみてもその時間にそのあたりで男を乗せたという記録はないと言われ、波島はタクシー運転手がエントツ(メーターを倒さず走行し、全額自分の収入にする)をしたので記録にないのかもしれないとエントツするようなタクシー運転手が集まる場所へ自分もタクシー運転手を装って潜入するが、食堂の中にいた冨田仲次郎にこいつはタクシーの指導員だ!と言われ追い出される。

波島進は若いので色々失敗するがそれでも自分で考えて挑戦するところがよく描かれたいた。

 

ここで犯人だった男の愛人で踊り子の小宮光江という女優さんが出てくる。このシリーズでは結構出演する人だがなんと26才で亡くなっていたのでwikiでも情報がない。

ズベ公シリーズで主演を演じたとある。

f:id:nihoneiga1920-1960:20210914183324j:plain

小宮光江という女優さん

この時代、一番大変だったのは通信手段で、神田隆は現場へ一度くらいは行くがその後はいつも刑事たちの連絡待ちと容疑者の取り調べだ。

制服の警察官も電話ボックスへ走って連絡するという場面もある。

 

小宮光江が踊り子という設定なので波島進が劇場へ足を運ぶ。ある踊り子が踊っている(名前不詳)がこの踊りの場面が結構長く、新東宝?を意識したのかと思った(笑。

それがこの場面

f:id:nihoneiga1920-1960:20210915085117j:plain