日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

警視庁物語 七人の追跡者 1958年(6月)その2 東映

監督 村山新治 脚本 長谷川公之

出演 堀雄二 神田隆 大村文武 花沢徳衛 山本麟一 佐原広二 石島房太郎

   小沢栄太郎 菅井きん 加藤嘉 浦里はるみ 小宮光江 英百合子 

   谷本小夜子

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監督より脚本家のほうが話題になる?な映画ってこれが初めてな気がする。

警視庁物語シリーズは違う監督が担当するが、私はこの村山信治という監督のが一番好きだ。

この回を初めて東映チャンネルでみていたく感動し(笑、結果DVDのセット(№1)購入となったが初回の逃亡五分前を一番最初にみたらここまで興味をもったか疑問だ。

なぜなら拳銃の発砲を犯人も刑事もする筋書なのでこれでしらけたと思うから。

前の回の「夜の野獣」から俄然物語が良くなると思う。

 

最初見たときより随分俳優さんの名前がわかるようになった。

 

この回での若い刑事は二人いるが、そのうちの一人大村文武は結構活躍している。

しかしその後AVの監督になったとある。そしてその後は不明。

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右隅が大村文武

もうひとりの佐原広二という俳優さんのその後はわからないが1961年頃までは映画に出演していたようだ。

 

さらにバーのマダム役が浦里はるみという女優さん。

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浦里はるみと堀雄二

 

二子玉川?の造成地のマンホールから女性の遺体が発見された。調べてみると彼女はマネキン製造会社の事務員で従業員の給料約98万円を下ろしに行ったまま行方不明になっていたのだ。

その会社を訪ねると経理課長の小沢栄太郎がいる。彼女がしていたというオパールの指輪だが遺体にはその指輪はなかった。

目黒?の銀行を訪ねると女性事務員はその人は翡翠の指輪をしていたという。

 

上馬のガソリンスタンドから連絡があり、殺された女性を乗せた黒い車に給油したという。

 

指輪の行方を追うとなんと銀行の目の前にある宝石店で被害女性自らがオパールの指輪を翡翠と交換し、その差額6000円は経理課長の小沢栄太郎が払ったと宝石店の店主?の加藤嘉から証言を得る。

まずは小沢が怪しいとなるが・・・

 

60分に満たない物語だが全て納得する作りで脚本はこうじゃないとねぇ・・という見本だと思う。倉本聰も見習ってほしい(笑。(彼の映画の脚本は頂けない。続きもののテレビドラマなら良いが90分ほどで完結する映画はなんだか尻切れトンボのような物語となる→おゆきさん という映画の感想)

 

最後はなんと渋谷駅南口での犯人逮捕ロケ!今はかなり様変わりしてしまった南口駅前のバスロータリーがふんだんに映し出されている貴重なフィルム。