日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

警視庁物語 血液型の秘密  1960年 6月 東映

監督 飯塚増一 脚本 長谷川公之

出演 堀雄二 神田隆 中山昭二 花沢徳衛 今井健二 東野英治郎 山本麟一

   須藤健 佐原広二 織田政雄 利根はる恵 沢村貞子 谷本小夜子 

   星美智子 小林裕子

 

f:id:nihoneiga1920-1960:20211011154631j:plain

スカパーより

一か月待ちに待った警視庁物語の13話。

 

冒頭、野犬狩りのシーンから始まる。物語は新井薬師近辺。当時の野犬狩りってこんな風にしてたんだね。初めてみました。

 

職員が雑木林で野犬を発見し、捕まえる。野犬があさっていた場所になんと乳児の死体が・・・。

刑事はまず赤ちゃんの身元を調べなければならない。乳児の死体から少し離れた場所におしめに使ったとみられる手ぬぐいが落ちていた。

今は紙おむつだけれどね(笑。見ると酒屋の名前がある。その乳児のしていたおしめかどうかの判断は警察犬を使った。やはりその手ぬぐいが乳児のしていたものと判明し、さっそく酒屋を訪ねると、酒屋の主人は200軒のお得意に配ったという。そこで2月ごろ生まれた男の赤ちゃんがいる家を聞き出し、一軒一軒当たっていく。

保健所の人がきたと早合点する父親と刑事のやり取りがおもしろい。

 

その赤ん坊の両親だと思われるふたりがすむアパートへ行くと夫は出て行ったきりで

妻のほうも3日前から姿を見ないと向かいの部屋に住む主婦の沢村貞子がいう。

沢村貞子の演技っていい感じ。生まれた赤ちゃんを夫の元へ置いてきたと言ったということを聞きこんだ刑事。

 

調べた妻の実家。父 織田政雄は後妻、利根はる恵を迎え、異母兄弟?のいる彼女は早く家をでたかったのか勤めた旅行社の社長、東野英治郎の二号になったと言うが

今井健二と知り合い東野とは別れたらしい。

 

下谷轢死体がみつかり、どうも行方不明の母親であるらしい。刑事二人が現場へ飛び、さらに父親を呼んで確認をとるとやはり埋められていた赤ん坊の母親であった。

警察でがっくり肩をとして歩く父、織田政雄のみじめな感じが良い。

 

かたや父親と目される今井健二浮気者であり、一番の容疑者と疑われるのだ。

自分は赤ん坊の父親ではないという彼の血液型を調べる。やはり彼が父親であった。

 

ところが轢死体でみつかった母親の遺書がみつかり今井健二は無罪放免となった。

 

って・・この回はどうもその終わり方はどうよ?だった。今井健二が最後に「あの子はやはり生まれるべきではなかったんだ」という言葉に憮然とする刑事たちだがちょっとこれまでの話を見てきたものからするともう少し練れたのではないかという筋書きでした。

 

旅行社の同僚で刑事役の中山昭二にあんみつ?をおごってもらい赤ちゃんの母親のことを話す小林裕子という若い女優さんは今どうしているのだろう。

 

さて、次回は「聞き込み」という話だがなんとあの山東昭子がでているらしい。

くだらないコメディ映画なんかのチョイ役しかお目にかからないので貴重な映像だと期待している(笑。

 

f:id:nihoneiga1920-1960:20211011161427j:plain

アマゾンより