日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

御金蔵破り  1964年 東映

監督 石井輝男 脚本 石井輝男 野上龍雄

出演 片岡千恵蔵 大川橋蔵 朝丘雪路 安部徹 今井健二 丹波哲郎

   杉浦直樹 

 

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東映チャンネルより

 時代劇だったので期待せずみた。前半はまぁ普通、しかし後半が断然おもしろく奇想天外な進行♪

 

伝馬町の牢屋に入った大川橋蔵。元は旗本だったが武家社会に嫌気?がさし、無法者となった。牢屋は牢名主を筆頭にピラミッドの階級ができあがっており、背いた人間は殺される。そこへ挨拶もなしに一番いい席へ座る大川橋蔵。ヤクザ組織の若頭だった男を怒らせるが、そこに止めに入ったのが泥棒で捕まっていた片岡千恵蔵

彼は大川をみて自分の若い頃を思い出し、かばってやるのだ。片岡千恵蔵は牢屋では先輩格でヤクザの若頭をこんなことで騒ぎをおこしたらもうお互いもう少しで放免されるのがフイになるではないかと諭す。

 

牢獄から出た片岡千恵蔵。次に狙うのは江戸城の金蔵破りだ。

同じころ?大川橋蔵と市中で出会った片岡千恵蔵は大川を誘う。大川橋蔵と同期の旗本、杉浦直樹は自分の出世を自慢し、大川を馬鹿にする。おもしろくないのは橋蔵だ。

そんなところへ片岡から幕府の金蔵破りの誘い。反発心も手伝って誘いに乗ることにした。

 

江戸城に忍びこむ方法は大奥の中老を利用することになる。大奥は男子禁制であるから

中老の荷物を長持ちにいれてその中に潜む・・・といのは歌舞伎役者を連れ込む話からひらめく。

中老役は朝丘雪路で元々花火問屋?の娘だったが江戸城へ奉公へあがると殿様の目に留まり、大奥でご寵愛をうける身となった。しかしこのところ殿様は自分のところへ来ない。市中で役者と逢瀬を続ける中老を大川橋蔵が篭絡する。

 

この辺まではまぁ東映だしね・・・な展開だった。

 

一方、町ヤクザで大川橋蔵片岡千恵蔵と一緒に牢屋に入っていた若頭。その組長に安部徹。配下に今井健二がいる。

その組織にも御金蔵破りをするということが知られており、彼らはそれを横取りしようと画策。

 

盗んだ千両箱、3万4千両分をどうやって江戸城から運び出すか・・・その方法がビックリ!妙に感心してしまった(笑。

 

上手く運び出し船で逃げるが、そこでも面白い出来事が!!!

 

これこそ痛快アクション時代劇!(笑。

 

ダメ押しで最後も洒落ている。これってネタばれだけれど、海岸で待つ片岡千恵蔵大川橋蔵。そこへ千両箱を積んだ舟がやってくるのだがなんと船には穴があいていて

やっとの思いで海岸までやってきたが船頭がこれ以上は進めない!と舟から脱出するために海へ飛び込む。

すると舟はドンドン沈んでしまい・・・全て海中へ。

その様子をみている片岡千恵蔵の表情がなんとも言えず良い。

逆に大川橋蔵はせいせいとした顔をしている。

 

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アマゾンより