日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

女中さん日記   1956年 大映

監督 村山三男 脚本 白坂依志雄 原作 畔柳二美

出演 南左斗子 品川隆二 入江洋祐 中条静夫 松岡きっこ 花布辰男 平井岐代子

   清水谷薫 村田定枝 矢島ひろ子

 

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スカパーより

www.kadokawa-pictures.jp



 

一時間ほどの小作品。知らない俳優さんが多い映画だった。

 

田舎から上京し、ある一家の女中さんとして働く「わかば」。

家にはご主人夫婦、長女の「百合子」長男で大学生の「竹雄」次女(小学生)「みどり」がいる。みな優しいが、百合子だけはわかばが気に入らない様子でつらくあたる。

 

近所の女中さんから「女中さんの人権」なんかを話し合う会合に誘われるがわかばは私の家の人たちはみないい人で私は幸せだと発言したりする。

 

月に2回、わかばは公休で、初めて銀座へひとりで行く。一張羅のワンピースを着て銀ブラを楽しんでいると、故郷の2年先輩の千代子に声をかけられる。懐かしさで喫茶店で話し込む隣には千代子の恋人だという絵描きの男性(中条静夫 若い 笑)いた。

茶店で別れ、歩きだすと後ろから声をかけられた。なんとわかばは母に買ってもらった赤いハンドバッグを忘れていてそれに気づいた男性(品川隆二)がもってきてくれたのだ。突然のことで何も言えず、まずハンドバッグの中身を確認するとなにも盗られていない。これは上京するとき母に渡された手紙に「都会は危険だから知らない人と話してはいけない」というのを忠実に守った結果だ。男性を疑って悪いことをしたと思ったわかばは慌てて男性の後を追う。彼は十字屋という楽器店に入った。追っていくとそこには色々な楽器が飾ってある。まず男性にお礼を言い、わかばは彼が音楽家だと思い色々質問をする。地下のピアノ売り場へ二人で行くときにわかばは自分は本当は歌手になりたかったと言うとその男性はなんとも言えない顔をして立ち去ってしまう。

 

しばらくすると長女の百合子が恋人からもらったという絵を家に飾る。

しかしそれはわかばの故郷の先輩、千代子の恋人と銀座で会った時に彼がもっていた絵だった・・・。お嬢さんが騙されている・・と思ったわかば。ある夜、百合子とその絵描き(中条静夫)が逢引しているところへ通りがかったわかば・・・。なんと百合子に強引に接吻しようとしている慌ててわかばはその絵描きの手に噛みつく。

事情をしらない百合子は激怒して母親にこんな女中は辞めさせろと言うのだ。

 

次の公休日、なんとなくあの男性に会った楽器店へ行くと彼と再会。

その楽器店に貼ってあったピアノコンサートの「細川俊夫」が彼だと思ったわかば

茶店で自分の家のお嬢さんはピアノの良い先生を探しているから今度家へ来てくれと頼む。

主人にもそれを話し、次女 みどりの誕生日に来てもらった。当日は彼のピアノ伴奏で歌を歌い、男性を駅まで送るわかばはとても幸せだった。彼はコンサートのチケットをわかばに渡す。

 

誕生会の最中、長女の百合子に電話がかかってくる。知らない女性がすぐにある場所へ来てくれというのだ。訝しながらもそこへ行くと、なんと恋人の絵描きと女性がいた。

そこで初めて自分の恋人が二股をかけていたことを知る百合子だった。

 

コンサート会場を訪れたわかばだが、そのコンサートの主の写真は彼と違う。受付の人に確認してもその写真で間違いないと言われ、わかばは嘘をつかれたと気づく。

その後を追って男性がわかばの元へ・・・そして彼は夜のクラブのピアノ弾きだと告白し、本当はコンサートを開けるような音楽家になりたくて上京したがそれもかなわず、死んだ妹には有名な音楽家になったと嘘をついていた、わかばと会って自分の妹のようだと感じ、何度か本当のことを言おうとしたがその勇気がなかった・・・でもこれからは自分の夢に向かってまた努力すると言う。それをきいたわかばは母からもらった手紙を私、これを読んで頑張ってください。というのだった。

 

みどりは勉強の結果、見事私立?の中学に合格した。両親にご褒美は何が良いかと訊かれ、自分の勉強に夜遅くまで付き合ってくれたわかばのためにわかばに休みをあげてくれ、そしてわかばを故郷へ行かせてくれという。それを訊いた両親はそれならわかばと一緒にわかばの田舎へ遊びに行きなさいと喜んで送り出す。

 

故郷へ向かう汽車の中のわかばとみどり。わかばはみどりに空気のよい私の故郷でみどりちゃんはもっと太って健康になるのだと嬉しそうにいう。

 

なにごとも「まごころ」をもって接すれば幸せなのだというなんか道徳教育のような大映映画だったけれど、それはそれでなんだか水戸黄門を見たあとのようで良かった♪

 

ちょっと順序が違うところがあるかもしれないが、私が最後まで話の筋を書く映画は

良かったと思うものだ。他にも良かったと思っても筋が複雑すぎて書けないものもあるけれど。イマイチだったのは最初の出だしを書くだけで終わっているのが普通(;'∀')

 

ところでキャストに松岡きっこの名前発見。多分、みどりの友達役で誕生会にいた女の子のひとり?もう一度そこ見てみようと思う。

品川隆二は二枚目役だったけれど私の記憶の彼はすでに中年で???な役ばかりだった。確かに彼はこの映画当時はハンサム系だったから二枚目も無理がない。

南左斗子という女優さん、キャストでは新人とある。wikiにも載っておらず、生年月日もわからない。その他大映映画に出演したらしいが(いとはん物語とか)記憶がない。

そしてその後どうなったのかも不明。

 

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衛星劇場より