日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

赤坂の姉妹より 夜の肌  1960年 東宝

監督 川島雄三 脚本 川島雄三 八柱利雄 柳沢類寿 原作 由紀しげ子

出演 淡島千景 新珠三千代 川口知子 フランキー堺 伊藤雄之助 田崎潤

   松村達夫 三橋達也 久慈あさみ 山岡久乃 柳沢真一 露口茂

 

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アマゾンより

2か月前からアマゾンで予約。オリンピック前の赤坂が映っているというので興味津々だった。

 

闇市の飲み屋から赤坂でバーを経営するようになった夏生(淡島千景)は妹の秋江(新珠三千代)、信州からでてきた大学生の冬子(川口知子)と3人で力を合わせて生きていきたいと願っているが、秋江は昔の夏生の愛人の田辺(フランキー堺)と付き合っている。秋江に言わせると姉の夏生は利用できる男を利用して生きてきたが人を愛することを知らないと言うのだ。田辺は何をやっているのかはっきりしない男だが、秋江のことを思い、夏生に別れを告げる。

 

三女の冬子は演劇を学んでいるが、丁度学生運動が激しい時期でそれに触発されたのか北海道まで行って学生運動に参加し、結局怪我をする。

 

夏生はなんとか隣の印刷屋の土地を買って店を大きくしたいと思っている。

 

そんな夏生に出資するのが近くで外車販売を営んでいる会社の副社長の阿久井(田崎潤)だ。彼は独身で芸者の小千代を付き合っているが、夏生と結婚したいと思うようになる。しかし阿久井の子供を身ごもった小千代は阿久井が冷たくなったので自殺を図る。そのことを知った夏生は阿久井との縁をこれっきりにしたいときっぱり宣言する。

大臣の植谷は、料亭照井で見かけた夏生を気に入るが彼には舞台女優の赤木里枝(久慈あさみ)が愛人だ。赤木里枝は夏生が舞台女優の学校で知り合ったが、夏生の家の事情で女優への道を諦めた経由があり、その時の演出家、中平は夏生より里枝を選んで結婚した。中平は今は大学で助教授として活躍しておりその生徒が夏生の妹の冬子。

 

ある日、ジャーナリストに植谷大臣を紹介された夏生は植谷を虜にする。

夏生にお金を使い、冷たくされている阿久井だが、照井の女将から夏生の後ろには大臣がいると聞きひきさがった。

 

いろんな話がでてくるのであらすじがうまくまとまらない。一言でいうと姉妹3人のそれぞれの生き方を描いたものなのだろうが、なんだか全て中途半端。

 

それでもDVDを買う価値があるのはまだ高速道路もない溜池、赤坂、国会議事堂周辺のロケだから・・・くらいだ(汗。

 

夏生は妹たちから色々と責められるが、結構優しくて決して男性を利用するだけでもない演出なんだけど・・・脚本が3名によって書かれるとまとまりがないという見本のような映画・・・それに監督も川島雄三だし(笑。

 

最後は料亭の女将となった夏生が時の総理を迎えるところで終わる・・・

 

ビルだらけの赤坂が木造住宅が密集していたなんてビックリする。