日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

刑事  1964年 東映

監督 佐伯清 脚本 池上金男

出演 丹波哲郎 里見浩太朗 志摩ひろ子 江原真二郎 菅井きん 安井昌二

   織本順吉 柳谷寛 小川守 中山昭二 水上竜子 増田順二

 

東映チャンネルより

安部元首相が突然亡くなってビックリです。別れっていつも突然やってきます。

朝、いつも通りでかけた人が夜に死んでいなくなるなんて夫人の気持ちを考えると

前頭葉が・・

 

丹波哲郎の刑事もの初主演映画だという。

 

横浜の公園。車内で結婚を誓う二人の若者・・・車の技師の里見浩太朗は友人から紹介された女性、志摩ひろ子に結婚を申し込む。彼女の両親は亡く、神奈川県警に勤める刑事の兄、丹波哲郎がいるがなにかとウマが合わない。

 

そこへ自動車修理工場で働く男、江原真二郎が車内を覗いているのに気づいた里見浩太朗、車外で問い詰めると彼は交通課の警察官だとしろいヘルメットを見せるがいぶかる里見ともみ合いになり知り合いから購入した拳銃で里見を殴打して彼は気を失ってしまう。車内で恐れおののいている恋人の志摩ひろ子を乗せたまま、江原真二郎は「こいつは俺の女だ!これからじっくり楽しませてもらう」と里見の車を運転して闇に消える・・・。

 

里見浩太朗がフラフラ歩いていると、巡回中の警官に発見されそのまま署へ連行されるが里見はしばらく何があったのか思い出せない・・・・

彼は「マー子」がどこにいるのだ?と刑事にきくが彼らもなんだかわからない。

段々、里見がデート中に男に車ごと恋人を連れ去られたことがわかる・・・

里見の恋人はなんと担当刑事である丹波哲郎の妹であった。

 

丹波は、妹を厳しく育てたという自負があるが恋人がいるとは知らなかったが、家に帰ると妻が今度の日曜日に婚約者を連れて挨拶に来るときかされ、茫然となる。

親族が被害者となる丹波は上司の中山昭二から担当を外れるように言われるが公私混同で捜査をするのではないと捜査を続行することになる。

 

署に留め置かれた里見浩太朗の元に、志摩ひろ子と同じ部屋に住む水上竜子がやってくる。彼女はすでに一晩経ち、志摩ひろ子の身体はキレイではないと暗にほのめかして彼女との結婚は諦めたほうがよいというが、里見は憤慨し彼女を追っ払うのだった。

それを見ていた丹波哲郎。それまで里見浩太朗をよく思っていなかったが妹とは真剣な交際だとわかり彼の中でわだかまりは薄れていく。

 

江原真二郎は、日曜が休みの自分の工場の宿直を代わってやると同僚を出かけさせ、

志摩ひろ子を連れ込むが襲おうとしても自分の身体が役に立たない・・と焦る。

志摩ひろ子は自分のハンドバッグを外へ投げるが、また別の場所へ・・・

 

緊急手配をかけて江原真二郎を追う警察だが途中で江原真二郎は別の車に乗り換えていた。

 

パトカーで巡回中の小川守と三番目の子供が生まれたばかりの柳谷寛は手配中の車を発見するも柳谷は急発進した車に轢かれて死亡、小川守は泣きながらもその車を追うが

道路から転落したその車には別の男が乗っていた・・・。

 

江原は江の島に向かい、宿をとるが女主人?女中にトランクから人間を運び出しているところをみられ、射殺・・・急遽現場へ駆けつけた刑事は油壷方面へ向かった江原の車を追い詰める・・・ここには里見浩太朗も同上しているが彼は江原に足を撃たれる。

 

最後は拳銃もモノともせず江原ににじみ寄る丹波哲郎・・・そして江原真二郎は逮捕され志摩ひろ子は無事救出される・・・。

 

刑事と書いてデカと読む題名。本格的な刑事ものからすると偶然なんかが多すぎだったり、被害者が刑事とともに現場へ急行したりで疑問が残る。

 

涙を誘うのはパトカーの柳谷寛。彼は奥さんが急に産気づいて産んだ三番目の赤ちゃんに会うこともなく死んでしまう。職務規定違反で買った赤ちゃんをあやすためのおもちゃ(なんていうかわからない)がパトカーのルームミラーにツル下げられてる演出はよかった。

 

清潔なイメージしかなかった江原真二郎ってこんな役もしていたのは新鮮な発見。

みようによっては今年の2月に亡くなった川津祐介に似ていた。

 

ヤフオクより