日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

新・悪名 1962年 大映

監督 森一生 脚本 依田義賢

出演 勝新太郎 田宮二郎 中村玉緒 藤原礼子 浜田ゆう子 万里昌代

   武智豊子 須賀不二男 沢村宗之助

 

日本映画専門チャンネルより

 

なんと死んだ貞(田宮二郎)に弟がいて、それがまた田宮二郎!という脚本だった(笑。続編で終わり?なつもりが、大ヒットでここでシリーズ化決定だったのだろうか。それまで白塗りの優男みたいな役でいまいちパッとしなかった勝新出世作

この役は長谷川一夫市川雷蔵もその見た目やイメージで無理だろう。これぞ勝新太郎のための物語だったよね。

ヤクザものは好きではないが(面白いと思えない)、悪名はなんだか面白い♪♪

 

三作目は兵隊にとられた勝新が14年経って敗戦後の日本に帰ってくる。

ところが、彼は戦死したと思われて田舎には墓石まで建っており、妻は再婚していた。

これは戦争の悲劇だよね。

 

復員してきた朝吉だが、自分が戦死していることにビックリ(笑。妻のお絹はどこにいるかわからないという。

貞の女房のお照を訪ねて、大阪の闇市へ行くと、彼女は焼き大福を売っていた。貞の死に責任を感じている朝吉は貞の故郷、徳島へ行き、乞食同然の暮らしをしている貞の母(武智豊子)を河内に連れ帰る。朝吉の実家では貞の母を連れて帰った朝吉に家族はいい顔をしないが、朝吉は構わない。

朝吉が無事に帰ったお祝いを村の仲間が開いてくれた。手伝いにきた村の若い娘の月枝(浜田ゆう子)はなんと進駐軍の米兵に暴行されてしまう!

朝吉はその米兵を捕まえようとするが、友人は進駐軍には警察も取り締まれないと聞き憤慨する。月枝は自暴自棄となり姿を消した・・・。朝吉は貞の母を連れて大阪で月枝を探すと彼女は釜ヶ崎?でパンパンになっていた。長年、日本に帰らなかった朝吉は、パンパンの意味がわからなかったのが面白かった。

彼女を連れ戻そうとするが貞によく似た元締めであやしい英語交じりで話す清次(田宮二郎)と対決する。清次は貞の弟だったのだ!!!

この映画の田宮二郎は、戦後の現代人らしく、朝吉を古いと言ったりする。さらに「おかま」の登場が映画に色を添える(笑。

ここでも朝吉は月枝とおかまに惚れられて大活躍。

 

万里昌代は田宮二郎の情婦で、なんと朝吉の子分だった元松島組の勝(須賀不二男)の娘!。勝は今は建設会社の社長として闇市場を取り壊し、娯楽施設を作ろうとしていおり、朝吉をうまく利用しようとする。

物語がどんどん面白くなるので、物語の始まりの年代からするとなんでみんなこんなにまだ若いのだ?第一作で朝吉やお絹はいくつだったんだ?とか思うんだけど、そんなことどうでもよくなる(笑。

寅さん映画のように次回作も見たくなる映画。

勝新太郎がこれで名をあげたのもうなずける。

 

アマゾンより