日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

狸になった和尚さん  1946年 大映

監督 春原政久 脚本 八木沢武孝 岡田豊 笠原良三

出演 羅門光三郎 飛田喜佐夫 浦辺粂子 見明凡太郎 相馬千恵子 平井岐代子

   潮万太郎 小林桂樹 鈴木美智子 加原武門

 

衛星劇場より

終戦後すぐの映画。和尚さんが化けてずーーと狸になってるのかと思ったらほんの一瞬、しかも狸の被り物が小学生の劇レベルで笑う(笑笑。

 

鳥の子村で一番の旧家、宍戸家の当主、敬左衛門が臨終で残した遺書・・・彼の息子は結婚を反対され家をでてその後死亡しており、敬左衛門の弟夫妻、姪夫妻に看取られ亡くなった。彼の口からの遺言を書き写した代書や(今の司法書士?)の兼由(加原武門)は姪夫妻(平井岐代子・潮万太郎)と弟夫妻の指図で亡き息子、敬太郎の遺族である敬太郎の妻(相馬千恵子)と遺児には一切相続するものはなく、全て弟や姪のものとなってしまった。

 

義理の父が亡くなったと連絡をうけ、鳥の子村を訪れた亡き敬太郎の妻(相馬千恵子)は姪からあなたの相続権はないといくばくかの金を渡そうとするが妻は受け取らない。その足で墓参りへ行くと寺の和尚(羅門光三郎)と出会う。

話をきいて和尚は俳諧仲間だった敬左衛門がいくら結婚を反対したからといって亡き息子の妻と遺児のために何も残さなかったはずはないと宍戸家へ行って確かめるも、見せられた遺言書もその通りで、なんて薄情なやつなんだと死んだ敬左衛門に腹をたてるのだが・・・

行く先もないその妻と子を寺に住まわせてしばらく面倒をみることになった和尚だが、近所で祈祷をしているおばさん(浦辺粂子)に和尚は愛人をかこっているなどと噂を流されたり、それを気にした妻が寺にはいられないと仕事を探しに東京へ行くが、子供を和尚に預けて旅立つが母が恋しい子供は線路を歩き・・・それを見つけた和尚はなんと汽車に轢かれそうになって川へ転落・・・とか・・・ま、いろいろと事件勃発。

 

ところが、形見分けだだともらった背広の内ポケットから敬左衛門の手帳が発見、そして遺書として敬左衛門の亡き息子の遺族へ全ての財産を残すと記されていて姪の悪だくみも明るみにでた!

49日の法要の席で和尚は村民に宍戸家の悪だくみを暴露。

一瞬、和尚が狸になったり死んだ敬左衛門になったりで

死人が生き返ったと騒ぐ村民に和尚は科学的じゃないことを信じるな・・とかいうのは

まだおがみやと称する祈祷師を信じる人たちがいるから・・かと思った。

ま、80年近くたった今でもそういうことで騙されたり、詐欺にあったりする人がいるんだけど。

 

羅門光三郎という人は古い人だ。なんと原駒子と結婚していたことがある。

1901年生まれで映画の当時は44,5歳。おじいさん役だったけどそこかしこに若さが感じられる(笑。