日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

たそがれの東京タワー 1959年 大映

監督 阿部穀 脚本 星川清司

出演 二木多鶴子 小林勝彦 金田一敦子 見明凡太郎 三宅邦子 市田ひろみ

   白田和男 

 

アマゾンプライムビデオより

日経新聞に女子高生のパパ活SNSで知り合い、260万円ほど使ったという50代男性が裁判をおこしたという記事が載っていた。なんと敗訴。主な男性側に下心があったからだというが、彼女と実際に関係があったのかどうかは触れていないので詳細はよくわからない。そして当の彼女は別に付き合っていた(本当の)恋人の子供を出産したというが、この女性ってかなり怖い人だと思った。これが40代の女性でも同じ判決になるのか?とか、逆だったらどうなのか?とか彼女の年令もかなり味方したのではないのか?とか、金額も金額だし、頂き女子とどう違うのか謎ですが、少なくとも裁く方の男性陣から訴えたその男性は「同情されなかった」のでは・・と想像しました。

みなさん、気をつけましょう(笑。

 

二木多鶴子と小林勝彦

一時間ほどの作品のシンデレラストーリー♡♡

主演の二木多鶴子という女優さん、角度によっては若尾文子風だが若尾文子よりは角ばっていて、大空真弓にも似ている。

小林勝彦という俳優さんは日活の川地民夫のような見た目で、大映川地民夫を言ってもいいかも・・・。映画界が斜陽となったあとは御多分にもれずテレビ時代劇で悪役を演じてました。昔はテレビ時代劇にいけばお金が稼げましたけど、今は時代劇もそうそう作られず、俳優業も大変ですね。

二木多鶴子

孤児院で育った京子の身内と言えば養老院にいる祖母ひとり。彼女は銀座のリラという洋装店で住み込みで働いている。

ある日、洋装店のマダム(三宅邦子)が午後からパトロンと外出することになり翌日も休業することになった。洋装店の従業員は我先にと外出してしまった。京子は行くところも帰るところもなくひとり店にに残る。するともうひとりの京子が現れ、店に飾ってある洋服を着て出かければ?と言う。

躊躇しつつ、ステキなオーバーコートと帽子をかぶって京子は銀座をぶらつき、出来たばかりの東京タワーへ。

そこでひとりの青年と知り合い、お茶を飲む。別れ際、彼からまた会いたいと言われ京子はまた迷いつつも彼、津田直樹(小林勝彦)とデートする。なんと彼は自動車で現れた。会社で性能をテストしている借り物だという。どこへ行きたいか?と訊かれた京子は丸の内と、外苑に連れて行ってもらう。心の中で京子は丸の内のオフィス街を見ながらこんなところで働きたかったと思うのだ。

 

二木多鶴子と小林勝彦

しかし、京子は津田に自分の身の上を装飾して話してしまう。裕福な家庭のお嬢さんのように・・・。

リラに帰れば住み込みで穴のあいたセーターを着ている彼女。偽りの自分との葛藤で津田に会うのはよそうと思い悩むのだが、やはり東京タワーへ行ってしまう。

東京タワーはいつもの待ち合わせ場所なのだ。

 

津田と会う晩。お店にはもう着ていく洋服がなくなった。残っていたのは年配の女性の仕立てた地味なコートだけだったが、もうひとりの京子がお店にあるアクセサリーをつけていけばと提案し、彼女はそのブローチをコートにつけて津田とレストランへ。

その後、つけていたブローチがないことに気づき慌てる京子に津田は同じものが売っているお店で1万2千円するブローチをなんなく京子にプレゼントする。津田の財布の中には札束がつまっていて、京子に初めて会った時、津田が「職工」だと言っていたのにこんなにお金をもっているのは強盗とか金庫破りでもしたのか?と想像してしまう。

ブローチを買ってもらう京子

京子が着ていったコートをリラの顧客に引き渡したが、なんとコートの襟が裂けていたとクレームが入る。京子は気が気ではないが、結局京子が着ていたせいだとわかり危うく店をクビになりかけたが、マダムの温情で事なきを得る。

 

三宅邦子と二木多鶴子

もう津田と会うまいと思っていた京子だが、店の品物を届けに高級住宅街を歩く京子

は津田が車にのるところを目撃する。慌ててその家の女中に彼のことを尋ねると、セントラルモータースに訊けと言われる。

なんと津田は丸の内のセントラルモータースの社長の息子であった。

彼には幼いころ頃から親しい暁美(金田一敦子)という女性がおり、父も彼女も津田と結婚するものだと思っている。暁美はいつもデートをすっぽかす津田に不満をもらすが

自分は暁美とは幼馴染なだけで結婚する気はないのだが、暁美は承知しないのだ。

小林勝彦と金田一敦子

わがままなお嬢様役の金田一敦子という女優さんはこのような役にピッタリな顔のクールな美人でした。wiki・・・なんと叔母が三宅邦子だそうで、叶順子、二木多鶴子と大映若手三人娘として売り出したそうです。ところが1960年にベッドシーンのある映画の出演を辞退し、家族からも女優を辞めるようにいわれそのまま引退したということです。金田一京助は従叔祖父。

 

津田に自分がついた嘘を謝ろうと会社を訪ねた京子の相手をしたのは暁美で、お金が欲しいのか?と言われてショックを受ける京子。

津田は京子の素性を知ってリラを訪ねるが、京子は行方知れずとなっていた。

 

どーなる京子!

 

二木多鶴子

二木多鶴子はその後野球選手と結婚したが1983年44歳で没っした。

子役の白田和男はその後三景啓司と芸名を改め、俳優として活躍したが現在は引退しているという。

白田和男