日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

電送人間  1960年 東宝

監督 円谷英二 福田純 脚本 関沢新一

出演 鶴田浩二 白川由美 中丸忠雄 平田昭彦 河津清三郎 村上冬樹 佐々木孝丸

   土屋嘉男 田島義文 堺佐千夫 沢村いき雄 松村達雄 天本英世 児玉清

 

前に東宝チャンネル無料視聴期間で後で見る・・に入れておいたけれどそのまま期間が終了?したかなんかで見なかった作品がたまたま某動画サイトにみつけ、子供向けだろうと期待せずみていたら、面白くて最後まで見てしまった昨晩(笑。

ちょっとエッチで日活風なキャバレーでの踊り場面などがあり大人も楽しめる特殊技術をつかったホラーでした。

この作品、1980年代にみた「ザ・フライ」っていうアメリカ映画みたいで、まさに装置を使って神出鬼没な男が殺人を犯していく。

ザ・フライ」はたまたま装置に入ってしまった一匹の蠅と人間が融合してしまって段々蠅になっていく過程が恐怖な作品で主人公の見た目もピッタリでした。

 

電送で現れる男が中丸忠雄ですが、この方も気持ち悪いハンサムでw、それも良かったです。

元々、1958年のアメリカ映画、「蠅男の恐怖」のリメイクが「ザ・フライ」なので脚本家もこの1958年の映画からヒントを得て書いたのでしょうか。

特殊技術の監督として円谷英二の名があります。当時としてはかなり出来はよいです。

ただ、一か所、爆発場面がしょぼかった(笑。

まだヤクザ前の鶴田浩二が出演。海軍がコンセプトのキャバレーがでてきたり、電送男が晴らす恨みは戦争末期、上官の物資横領を発端としていたりで戦後たったの15年を感じられます。

 

平田昭彦鶴田浩二

遊園地のお化け屋敷で殺人がおきた。犯人の行方はつかめない。新聞記者の桐岡(鶴田浩二)が事件を追う。桐岡は警察へ行って聞きこむが警察も混乱している。この当時の新聞記者ものって警察本部の刑事部屋に押しかけたりお茶まで飲んでたりで出入り自由?だったんでしょうか。他の作品でもこういうシーンはよくあります。

現場に残された針金のようなものに興味をもった桐岡は大学の恩師、三浦博士(村上冬樹)を訪ねると真空管の一種の装置に使われたとわかるが、それは低温に保たなければならないという。

刑事となりその事件を捜査している桐岡の学友の小林警部(平田昭彦)は日頃から怪しいと思っている海軍キャバレーに桐岡を連れて行く。

そこには戦争末期、国民から集めた貴金属からつくった金をどうせ負けるのだからと横領しようとした元少尉の大西社長(河津清三郎)、部下で支配人の隆昌元(田島義文)、部下で今は土建屋をしている滝(堺佐千夫)が集まっている。すでに殺された男も大西一派で、滝にも脅迫状が届き、次は自分が殺されると怯えている。滝は警察に行くというが、大西はそんなことをしたら自分たちの悪事がわかってしまうというのだが・・・。

田島義文・河津清三郎・堺佐千夫

一方、冷却機メーカーの社員、明子は中本(中丸忠雄)から訪問を受ける。彼は明子の会社から4台の装置を注文したのだ。取り次いだ同僚はなんだか気持ち悪い人だという。

白川由美

その後、納めた冷却機の修理依頼で中本から軽井沢まで呼び出される明子だが

偶然知り合った桐岡も明子の同僚として軽井沢へ。

白川由美鶴田浩二

東京では土建屋の滝を守ろうと警察の護衛がつく。殺害予告は午後11時半。

そこへ謎の荷物が届く。刑事がその荷をほどいている間に滝は殺されていた。

滝の警護をしていた警察官も死んでいる。

男を追う警察!

軽井沢ではある部屋から大きな音がしたり怪しさ満点。中本の他に誰かがいるようだが・・。

中丸忠雄

最後は電送がうまくいかず、中本は苦しみながら装置の中で消えてしまう。

鶴田浩二白川由美のその後が気になったが時間が足りなかったのか二人の登場はそれ以上に発展しない形で終わった。

1948年松竹「噂の男」で炭鉱に支給された物資を横流しする男が村上冬樹でしたが、

それから12年経ち、白髪も増えて学者として登場。この人、そういった系の役でちょくちょく見るような・・。

村上冬樹

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