日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

風の中の牝鶏 1948年 松竹

監督 小津安二郎 脚本 斉藤良輔 小津安二郎

出演 田中絹代 佐野周二 笠智衆 村田知英子 水上令子 文谷千代子 岡村文子

   三井弘次 清水一郎 谷よしの 泉啓子 中山さかえ 坂本武 高松栄子

 

田中絹代

 

何度見ても良さがわからない小津安二郎のこの作品。そもそも上から目線の夫とぶって!という妻に60過ぎた私でも違和感を感じる。田中絹代が階段から突き落とされるあのショックな場面でも夫の佐野周二は上から「大丈夫か?」というだけで、間借りしている奥さんが家に入ってきた時にはすでに夫は2階に上がっている(と思われる)。

最後に夫婦が抱き合って今までのことは忘れてこれから何があっても二人でやっていこうとかいうんだけど、佐野周二は逮捕されたほうがいいよ(笑。

 

終戦3年経っても夫はまだ帰ってこない。東京の下町でそんな夫の帰りを待つ妻の時子(田中絹代)は一人息子の浩を育てながら生活しているが最後の着物を友人の秋子(村田知英子)に売ってもらおうと頼むのだ。秋子は闇商売をしている織江(水上令子)に着物を持って行く。時子のことを知っている織江はその気になれば時子は今より楽に稼げるのにという。

水上怜子

 

ある日、息子の浩の具合が悪くなり、入院させる羽目になった時子。看護婦から入院費用の10日分は前払いでもらうと言われ、時子は一回だけ織江のツテで男に身体をゆだねる。

三井弘次・水上怜子・岡村文子

その金で無事入院費を払い、浩は元気になって退院した。そこへ夫が帰ってきた!

佐野周二田中絹代

その夜、夫から浩のことを訊かれ、思わず入院したことを言ってしまった時子はお金の工面に嘘がつけず、本当のことを言ってしまう。どうしてよいかわからない夫はそのまま外へ行ってしまう。

その後、夫は時子から聞いた月島の曖昧宿を訪れ、女を呼んでもらう。

ここで佐野周二が渡る長い橋は相生橋だそうで周囲になにもないのにビックリ。

相生橋を渡る佐野周二

草が生えている街

 

来た女(文谷千代子)は21歳で母は亡く、病気の父と学校へ通う弟のためにこんな仕事をしているという。何もしないで出て来た雨宮が隅田川で座っているとさっきの女が現れた。

ずっとここにいて、客があると呼びに来るのだという。どうせ自分などまともに働けないという女に雨宮は君の仕事を探して2,3日したらまたここに来るという。

って、そんなことしてる場合か?佐野周二

勝鬨橋がみえる。

文谷千代子

そのまま友人の佐竹(笠智衆)を訪ねた雨宮は女の就職を頼み、さらに時子のことを打ち明ける。時子のことは仕方がなかったんだとわかっているが、気持ちが落ち着かないという雨宮・・・(え?)。

時子の待つ家へ帰った雨宮。やはり口をきいてもらえない時子。また雨宮は癇癪をおこし出て行こうとするところに時子が立ちふさがり・・・

突き飛ばされた時子が階段から転げ落ちる!

田中絹代かと思ったら、スタントを使ったそうですが、うまくつなげてあり、画像も良くないので、田中絹代になんてことをさせるのだ小津安二郎!と思ったシーン。

そこへ間借りしている家の奥さん(高松栄子)が帰ってくると必死で言い訳する時子。

むちゃくちゃ痛そうな田中絹代

その後、2階にあがった時子に雨宮は全て忘れるんだ!とか言って終わる。

それ言うならもっと早く言いなよ!と思って終わった作品でした。

佐野周二田中絹代

 

この作品は前にも記事にしてますが、悪役が多いイメージの村田知英子の数少ない良い女性役がみれます。ただ、衣装がなんでよそいきのような?ワンピースなのかわからないです。

田中絹代・村田知英子

看護婦役の谷よしの

田中絹代谷よしの

谷よしのは最後の大部屋女優と呼ばれましたが、同じ看護婦役のこの二人は不明です

泉啓子・中山さかえ(どちらがどちらなのかわからない)

 

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