日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

長屋紳士録 1947年 松竹

監督 小津安二郎 脚本 池田忠雄 小津安二郎

出演 飯田蝶子 吉川満子 青木放屁 小沢栄 坂本武 笠智衆 河村黎吉 高松栄子

   谷よしの 殿山泰司

飯田蝶子青木放屁

 

子役の青木放屁って突貫小僧の青木富夫の異父兄だそうですが、生年・没年不明。

前にもこの作品は記事にしましたが、アマプラで再度視聴。今回は殿山泰司発見しました。

 

夫と一人子を亡くし、ひとりで金物屋を営むおたね(飯田蝶子)の元に九段下で拾ったという男の子(青木放屁)を辻占いの田代(笠智衆)が連れてくる。おたねはしばらく預かることにするが、本心は迷惑だった。

河村黎吉・青木放屁笠智衆

 

平塚にいたというので早速子供を連れて出向くが、元は八王子の大工だったという男は数日前に仕事がみつかったといってどこかへ行ったという。

谷よしの飯田蝶子青木放屁

 

親に捨てられたに違いないと思ったおたねは子供を置いていこうとするが、それに気づいた子供に追われて結局、連れて帰ることになった。

その子はおねしょをするのでプリプリするおたね。その子の父も腹立たしい。

近所の住人(坂本武)がくじで2000円当たったと聞き、欲のない子供が当たりやすいと聞いたおたねは男の子にくじを買わせに行くがハズレたりする(笑。

そんな日が続き、ある日男の子が朝から姿を消した。夕方になっても帰ってこない子供を心配するおたねを見て幼馴染のきく女(吉川満子)はそれは情がうつったのだと言われ、おたねはその子を育てようと思う。

春になったら学校へあがる男の子に帽子を買い、キク女と3人で動物園へ行き、写真館で写真を撮る。ここで写真屋殿山泰司

飯田蝶子・吉川満子

殿山泰司青木放屁飯田蝶子・吉川満子

吉川満子が飯田蝶子金物屋から去る時にいつも「おやかましゅう」と言って帰るんだけど、これって昔は東京でよく言った言葉なんだろうか?私は聞いたことがないけど。

その晩、なんと男の子の父(小沢栄)がおたねの元へやってきた。なんと九段下で別れてしまい、彼はずっと子供を探していたという。

小沢栄・青木放屁

 子供を捨てたわけではないと知ったおたねは嬉しくて泣く。

小津安二郎が言いたかったことなのではないか?と思われることをおたねが言う場面がある。おたねの言うことは現代にも通じる。特に電車の席取りの例とか(;^_^A。

自分も子供が欲しくなったというおたねに辻占いは戌亥の方角だという。戌亥の方角は本郷か上野・・上野なら西郷さんだとなってこのシーンで終わる。

たくさんの戦災孤児が集まる上野公園

 

戦後2年も経っていないので焼け野原といっていい街の風景が映る。

築地の長屋の物語のようだけれど、今とは全く風景が違う。第一、川は埋め立てられた。

本願寺の前は川だったんですね。

 

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