日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

終わりに見た街 1982年 テレビ朝日

演出 深町幸男 作 山田太一

出演 細川俊之 なべおさみ 中村晃子 蟹江敬三 ハナ肇 鈴木清順 樹木希林

   浜村純 野村昭子

 

ここ最近、山田太一にはまってしまっております(;'∀')。この記事を書くためにネットで検索したら、なんと9月21日(土)よる9時からテレビ朝日開局65周年記念、ドラマプレミアムでこの作品が放映されるようです。新たに作ったもので主演が大泉洋、脚本は宮籐官九郎。

www.tv-asahi.co.jp

 

1982年版は初めてテレビドラマ化されたもの。次に製作されたのは2005年で主演が中井貴一。2005年版は山田太一自ら現代版の脚本を再執筆したそうですが、2024年版はどうなるのか楽しみです。ちなみに1982年と2005年はほぼ内容は同じで違うのは主人公の職業みたいです。

 

 

放送作家の清水(細川俊之)は妻の紀子(中村晃子)、中学生の信子、小学生の稔と多摩川近くの新興住宅地で暮らしている。

ところが、ある朝起きてみると、外は雑木林で家一軒ない。恐る恐る外へでて多摩川あたりまで行ってみると、様子が違う。神社脇では人が集まって出征する兵士を送っているようだ。物陰から茫然と見ていると、国民服を着た男たちに見つかる。怪しい奴だと殴られ、這う這うの体で家へ帰った清水。どうしたらよいのかわからない。

そこへ清水の幼馴染で先日30数年ぶりに飲みに行った宮島(なべおさみ)から電話がかかる。その後、清水の家に宮島が16歳の息子と共に現れた。彼はその日、学校にいかずブラブラしている息子を連れて湘南に釣りに行ったという。ボートで沖まで行き、夕方に帰ると港の様子が一変していた。電車に乗るのも紙幣が違って、着ていたジャケットを金に換えたという。世間は昭和19年9月なのだ。

とにかくおかしなことになっているのが自分たち一家だけではないことに多少勇気づけられた清水だが、その夜、軍服を着た男たちがやってきた。

中村晃子

応対にでた清水は軍部から極秘の仕事をしていると言ってその場をごまかすが、もう家にはいられないと一家と宮島親子と共に持てるものを持ち、家を後にする。

アップされている画像が酷かったんですが、それも気にならないほど物語にひきこまれました。

日本の未来を知っている清水と宮島。空襲にあわなかったところを転々とし、戸籍は偽造した。息子の稔には軍国教育を受けさせたくないので、病気だといって学校には行かせなかった。

隣組の存在や食料調達、たいへんです。私なんかここ最近のコメ不足騒ぎだけで辟易なのに、戦時中はコメどころか全てないんですから。なので戦争中の悲惨な話を聞かなくても、年がら年中モノを手に入れるのに四苦八苦するのは嫌なんで戦争反対です(単純明快)。

 

細川俊之中村晃子なべおさみ

 

やっと昭和20年の正月を迎えた。清水はこのままひっそり終戦までやっていくだけで良いのか?と自問自答する。3月10日の未明に東京大空襲があるのを知っている自分は、そのことだけでも事前に下町の住人に知らせて少しでもその前に疎開させて助かる人がいるなら・・・と、まずは噂を広げに清水と妻の紀子と二人で下町の配給食堂で人々に話しかけようとするが、皆、食べることに一生懸命で話しかける隙もない。結局、誰にも言えず家に帰った。

この状況って電車でもどこでも歩きながらでもスマホやってる人と同じだと思って可笑しかった。しかも耳栓(じゃないけどイヤホン)までしているから仮に話しかけられても聞こえないんじゃないでしょうか(笑。

とてもじゃないが、噂を広めるどころか、話しかけることもできない・・。宮島の提案で一家はビラを書き、下町の家々にこっそり投函する。配り終わって清水は宮島とこれで少しは人助けできると喜んでいた。そばで何か食べている男(浜村純)に3月10日の大空襲の噂を知っているか?と尋ねると男は知っているが、逆にその前に疎開しようなんてやつは非国民だと言われるのだ、だから誰も疎開できない・・・と言われガッカリする。

近所が近所を監視する、ちょっとでも人と違う人は許されない、怪しまれる。

 

そこへ、家からいなくなった宮島の息子が帰ってくる。訊くと軍需工場で働いていたという。なにもしないでうだうだしていた息子とは別人のようだ。

ところが、彼は変わり過ぎて、「みんなお国のために死ぬ気で働いてる、それなのにお父さんたちは戦争で国のために死んでいく人をバカな死に方だと思っているんじゃないですか?」なんていう。すっかり軍国青年になっていた。それだけではなく、清水の娘も「みんな国のために一生懸命働いているのにつまらない戦争、バカな戦争なんていうのは許せない!」と言われてしまう。

そこへ空襲警報が鳴り、空爆を受ける。清水は混乱する。この辺は空襲は受けないハズだ、なんでなのだ??なんなのだ?

で、最後はさらに怖い終わり方でショック倍増します。

細川俊之なべおさみ

 

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