日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

この冬の恋 2002年 FNN

演出 宮本理江子 脚本 山田太一

出演 田中美佐子 要潤 渡辺えり子 小林稔

 

要潤田中美佐子

 

こんな若者を演じていた要潤って初めてみた。というかほぼドラマは見ないので要潤はネットニュースの芸能記事で知っていただけな気がします。あの当時の若者の髪型だ!

ただ、歯並びが悪かった。まだ治す前でしょう。日本では歯並び云々がそれほど注目されていなかったのかもしれない。そういえば、あのトム・クルーズも「トップ・ガン」当時には歯並びが良い方ではなかった。要潤の今の画像を探しましたが、意外にも歯をみせて笑っている写真がみつからない。

トレンディードラマが落ち着いた2000年代初頭のドラマ。ただ作品が男女の恋物語で、フジテレビなためか山田太一脚本という感じはあまりなかった。特にセリフがいつもの山田太一と違う。これは演出が宮本理江子という人だからか?なんと彼女は山田太一の娘である。しかし、親子共作(といっていいのか?)はこの一作だけです。

 

高校時代の先輩(渡辺えり子)と共に外壁清掃の会社を興し、30代後半を必死で働いてきたケイコ(田中美佐子)。お金の余裕はあるが、もう40歳という年齢が近づいていて何とも言えない寂しさを感じている。先輩は母子家庭だがまだ子供がいるだけマシだとも思う。そんな心の穴を埋めるようにケイコはホストクラブへ通い、そこで知り合った11歳年下のカツ(要潤)とお金を払って自分の会いたいときに会うという契約をする。

かといってお金持ちのようなお金は払えない。月に15万円と彼の住んでいる部屋の家賃を払うという条件だ。そしてお互いが嫌になったらすぐに別れるという条件もいれるケイコだった。

田中美佐子要潤

 

デートは楽しく、ふたりで旅行へいったりもする。そんなある日、突然カツから好きな子と結婚するからと言われて別れを言われたケイコ。契約のこともあり、ケイコは何食わぬ顔で承諾し、最後にふたりで過ごす約束をする。

カツをお金で買った男とは思っていない自分がいることに気づくケイコだが、プライドもあるのだ。

待ち合わせの湖畔のホテルへ行く途中、カツとのことを考えていたケイコは車に飛び込んできた中年男性を病院へ運び、慌ててカツの待つホテルへ再び車を走らせるが、金で買った男なのだからいくら待たせてもいいじゃないか・・などと思ったりする。なんで自分は慌てるのだろう・・・。

ここで妻子と別れ、ケイコの車に飛び込んで病院へ運んだ中年男性(小林稔侍)がケイコが自分の会社で働くようにするなどが挿入される。

カツと別れたケイコに周囲は安心する。ところが、ある日カツがケイコを訪ねて会社事務所に顔をだす。先輩もケイコが助けた中年男性もカツにケイコの決心が揺らぐからもう来るなと激怒。お金が無くなったらまたケイコに「忘れられない」なんて言ってるに違いないとおもうのだ(ま、当然ですね)。

小林稔侍・渡辺えり子

会社で働く若い男の子。ケイコの件も知っている。そこで自分がケイコの相手になるといってある晩、ケイコがひとりで食事をしているファミレスへ。ケイコは当然激怒して店を後にする。

ケイコに寂しんでしょう?という失礼な若者(怒)

2000年代初頭、アラフォー独身女性のことに焦点をあてた山田太一の凄さ。まだレンタル彼氏なんて言葉すらなかった頃、こういう女性もいる(かも)という想像力。

お金で買うのは男性、買われるのは女性だった時代にこの発想はないよね。

ケイコは先輩にこういう。「働きづめて働いて、40手前の女にどうやって恋人が探せるのだ?」確かに。ネットで出会い系はあったけれど、それは特殊な出会い系で、普通の女性は利用しない。スマホもないし、かといって文通もすたれていた(笑。

ケイコはホストの男を金で買ったが、まだ当時は中年女性の行く場所だったホストクラブ。今は若い子が客のホストクラブだ。時代を感じます。しかもそれは自分の身体で稼いでホストへつぎ込む。それも数百万、数千万円というお金だ。山田太一だったらこういう世界をどう描くのかみたかった。

しかし、要潤にぼーっとなってしまう主人公の気持ちはわかるな。男性も美しく、若い女性と一緒に歩きたいのと同じで女性も見目麗しい要潤みたいな男性と一緒に歩くだけで楽しいと思う(笑。

要潤♡♡

こんな笑顔で待ち合わせに現れたら・・と思うだけで胸キュン♡♡

胸キュンといえば、コカ・コーラの宣伝の加勢大周も忘れられない(笑。

ヤフオクより 加勢大周

 

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