日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

甘い秘密  1971年 松竹

監督 吉村公三郎 脚本 新藤兼人 原作 徳田秋声

出演 佐藤友美 小沢栄太郎 細川俊之 初井言栄 東山千栄子 伊丹十三

   入江洋祐 丹阿弥谷津子 岩崎加根子

 

鎌倉の小説家 小沢栄太郎を訪ねて妻の書いた小説をみてもらいに北海道から上京した夫、入江洋祐と妻の佐藤友美。

できの良くない小説だったが預かっておくとなんとかその場を収めたが後日、妻の佐藤友美が訪ねてきた。たまたま出版社の専務、伊丹十三が居合わせ、小沢は伊丹に佐藤を紹介する。

佐藤と一緒に帰る伊丹はその夜、佐藤の滞在するホテルで一夜を過ごし、その後佐藤の小説は出版される運びとなる・・・。

 

主な筋は老小説家が佐藤友美に翻弄される・・・のだ。

佐藤友美の男性遍歴、老小説家の恋がメインだとおもうけれど

なんだかこれ1960年代後半に大映映画でこんなような映画があったような・・・。

 

新藤兼人脚本だったので絶対??なところがあるんだろうなと思っていた。

期待を裏切らない話だった(皮肉ですよ 笑)

 

話の途中からもう飽き飽きしてきたけれど圧巻が最後のダメ押しで

佐藤友美は「私は一人で誰にも頼らずに生きていきたいの!」といいながら

老小説家に住まいを用意させる。すると今度は「息が詰まりそうだ!」と言出て行ったあげくに佐藤友美の本の装丁をし、関係をもった画家、細川俊之のアトリエを訪ね、

「結婚して!」と言うのだ・・・。細川が笑って否定すると佐藤は細川の描いた佐藤の裸体の絵を引き裂くのであった・・・で終わりなんだけど・・・なにこれ?

 

老小説家には妻丹阿弥谷津子がいたがある日脳溢血で他界。その後佐藤友美が先生の家で手伝いながら小説の修行をしたいと言い出し、老小説家が大学生の息子と高校生の娘に相談するとふたりともものわかりよく同意(え・・・。

佐藤が怒って年中家を飛び出すがビックリなのが行方の分からない佐藤を案じている父に大学生の息子が箱根にいるのでは?と言って確かめ、二人で佐藤を迎えに行くという

この展開。あげくに大学生の息子が「父をよろしく」と自分と歳がほぼ変わらない、母亡きあとに現れた女性に言うって(笑。これは原作でもそうだったのでしょうかね。

 

いくら70年代の映画でも主人公の主張が変わるので頭が混乱する。

無邪気な悪い女でありながら結婚は懲り懲りと言ったり、結婚してといって否定されると酷いといって怒る?もうわかりましぇん。

 

佐藤友美はクール美人だが歯並びが悪いのが気になった。今ならこの歯並びでは主役はできないだろう。昔の日本は八重歯がチャームポイントとか言っていたし歯並びってあまり問題にならなかった時代があった。だから仕方ないとは思う。

71年封切で邦画が斜陽、ポルノが台頭してくる直前?の映画なのか佐藤友美の乳が見えます。その他ベッドシーンあり。

 

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衛星劇場より