日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

女系家族 1963年 大映

監督 三隅研次 脚本 依田義賢 原作 山崎豊子

出演 若尾文子 京マチ子 鳳八千代 高田美和 浪花千恵子 中村鴈治郎 

   北林谷栄 田宮二郎

MOVIE WALKER PRESSより

三代女系が続く船場の問屋におこった遺産相続争いの物語。婿養子であった嘉蔵が急死し、残された娘3人に相続が発生。親族が集まる中、大番頭である宇市(中村鴈治郎)により遺産相続の遺言状が読み上げられる。

出戻りの長女、藤代(京マチ子)は自分が総領娘だと主張し、取り分が一番少ないことに納得がいかない。次女で婿養子を迎え、矢島商店を継いだ千寿(鳳八千代)はそんな姉は自分勝手だと言う。三女の雛子(高田美和)は遊びたい盛りだが、そんな雛子に叔母の芳子(浪花千恵子)が取り入り後見人となる。芳子は矢島商店を継いだ亡姉と比べて自分は分家で何もいいことがなかったと思っており、雛子を養女にしたいのだ。大番頭の宇市は料理屋の女中、君枝(北林谷栄)とよい仲で、何もせずにたいそうな遺産を手にする娘たちに反感をもちながら陰で暗躍。

踊りの師匠の梅村(田宮二郎)は不満をもらす藤代に協力するが二人で会ううちに男女の仲となる。みな、腹にイチモツ。

そこへ嘉蔵に世話になっていたという浜田文乃(若尾文子)の存在が浮上。そして文乃は嘉蔵の子を宿していることがわかる!その後の女たちの仕打ちが怖い。

最初は姉妹の探り合い、さらに文乃の存在とお腹に宿る子の認知を探り合い、そして宇市は自分の背任行為を騒がれないように姉妹と取引していく。

作品中、全く欲がない文乃だが、お見事!な結末を迎える。

映画のような大金持ちの家より財産なんてなにもないよという普通の家のほうがもめるとか。私としては、最強な公正証書を残すことをお勧めしますw。ただし、その公正証書の存在を誰か信頼できる人に言っておかないといけません。気が変わったら何度でも作り直せますし、今はネット上でも保管されるので証書がなくなっても大丈夫なんだそうです。

人間の欲は底なし?とも思えますが、この作品の登場人物は皆、各々思うところがあるんですよね。長女は総領娘としての面子、次女は家を継いだのは私だというコダワリ、一番アッサリしているのが若い三女ですが、彼女も遺産が入ったらと夢をふくらませ、叔母さんの本心がわかったのか養女の話は断ったりする。大番頭の宇市は十四の子飼いから働いて、いいように使われてきた、自分だって少しはいい思いをしても当然だという気持ちがある。

ちょっとわからないのが田宮二郎。彼は200万円を京マチ子にねだるのだけど、最後は200万円は貸すということになって京マチ子から振られてしまう。彼の本心はなんだったのか?