日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

花嫁日記 1934年 日活 

監督 渡辺邦男 原作 山崎謙太

出演 杉狂児 市川春代 星玲子 松本秀太郎 上村節子 北原夏江

   松平晃(コロンビア専属)

このところ朝6時前から起きてしまい、夜、映画を観ているとそのまま寝ていて(汗

最後までみることができていない。

ただ昼寝をすると今度は夜眠れないので我慢しています(笑。

 

 

多摩川撮影所第一回トーキー作品とある。

なんとカラー&ステレオでアップされていてありがたい(笑。

他にもカラーでアップされているものが多数あってチャンネルの存続に期待している。

 

杉狂児の主演て初めて見たけれど若い頃はなかなかハンサムだ。

物語は新婚夫婦のコメディで、杉狂児市川春代がふたりでうたを歌ったりしてあまりにも仲がよいので(なぜか)近所の人たちの不評を買う。

酒屋の小僧(と言っても小僧には見えないのがご愛嬌)が近所へ御用聞きへ行き、

その二人の喧嘩を盗み聞いたりする。

なんだかこれと言ったストーリーはないのか・・と思ったが、

市川春代の女学校時代の友人が訪ねてくるところからがメインらしい(笑。

 

実は学生時代、市川春代は友人たちと一生結婚しないという独身同盟を結んだが、

そのうちのひとり、星玲子(美人)が訪ねてくるので市川春代は丸髷を結いなおし、

夫の杉狂児は兄ということに。

星玲子は杉をすっかり気に入ってしまい、ダンスへ3人で行くが、市川春代は夫と友人がダンスしているのをみて怒ってしまう。

結局ダンスホールで杉が市川の夫とわかり星玲子は地団太をふむ。

 

その間、泥棒が家に入って家の中はめちゃくちゃ。

翌日には家賃を払わないといけない二人は杉の田舎でお金を借りようというが

肝心の電車賃がない。

そこで市川春代の着物を質屋へもっていくと150円?で売れて30円の家賃を払い

めでたしめでたし・・・みたいな映画(笑。

この映画でも歌われる「わたしのあなた」で歌手デビューという。

 

動く市川春代は初めてみました。田中絹代系の女優さん。

・・・と書いてwikiをみたらなんと「五泊六日」にも出演していた・・。

 

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市川春代 wikiより

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五泊六日より 池部良の左にいる留袖の婦人が市川春代

 

 

黒い賭博師  1965年 日活

監督 中平康 脚本 小川英 中西隆三

出演 小林旭 富士真奈美 横山道代 益田キートン 野呂圭介 小池朝雄

   高橋昌也 谷村昌彦 加藤芳郎

 

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以外にくだらなくなかったアクション(笑 映画。

富士真奈美が準主役で美人の役がめずらしい・・・。

彼女を知ったのは・・小学生のころ。細腕繁盛記で新珠三千代をいじめる役。

土肥?の方言の「そうだ=そうずら」と最後に「ずら」をつけて喋るのは忘れられない。

 

かなりの美人だけれど、なぜか美人としての役よりそうでもない役の印象が強い女優さんのひとり(笑。

 

小林旭は一匹狼のギャンブラー。香港から来たいかさまギャンブラー一団と勝負する。

富士真奈美は18才の時、ギャンブラーだった父、益田キートン小池朝雄との勝負で負け、そのカタに小池の愛人となった。それ以来小池とふたりで稼いでいる。

小池と共に小林旭をハメようとするが、小林の技を盗むため富士真奈美が小林に近づくが・・・。

 

富士真奈美小林旭との大人の関係もなかなか洒落ている。

 

外人もたくさん出演しているが、たどたどしい日本語でセリフが棒読み(笑。

 

香港のいかさま師のトリックもおもしろかった。

このくらいまでは(1965年くらいまで)安易なストーリー展開ではないような気がする。(例えばおっぱいポロリ系なんか)

いつもの通り、アクション場面は小林旭本人がやっている!

バーのママの安田道代が草笛光子だったらもっと良かった。

安田道代だと安直な映画感が感じられてもったいなかった・・。

 

まだガラガラの首都高が見れます。

最後のギャンブル場は横浜プリンスホテルのクレージー映画で結婚式をやるところのようだ。

俺にさわると危ないぜ  1966年 日活

監督 長谷部安春 脚本 中西隆三 都築道夫

出演 小林旭 松原智恵子 二本柳寛 左卜全 郷鍈治 高品格

 

日活アクション!なんと松原智恵子が下着姿に!(笑。

 

従軍カメラマンの小林旭は日本に帰る飛行機でアテンダント松原智恵子と知り合う。

その松原がデートの最中に行方不明となり、その上謎の女5人組?にも命を狙われる・・・。

旧日本軍が沖縄県民から取り上げた金塊を目当てに群がるギャングとガイジン。

 

松原智恵子が拉致されてからずーっと出番がない。

(忙しかったのか?他の映画出演で?笑)

小林旭はスタントを使わずに離島で体当たりのアクションシーンは凄かった。

(これが一番のみどころ)

おかしかったのが、謎の女集団のひとりがギャングから逃げようとすると後ろから

ブラジャーを引っ張られブラがとれるのだ(笑。

でも、おっぱいをずーっと押さえているのでみえない(笑。

 

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ジャケット

 

白線秘密地帯  1958年 新東宝

監督 石井輝男 脚本 内田弘三

出演 宇津井健 天地茂 三原葉子 筑紫あけみ 菅原文太

 

ご存知!○○地帯シリーズ(笑。

本当は71分の映画らしいが、なぜかアマゾンプライムでは58分。

そのせいだろうか、なんだかストーリーがわからない(笑。

 

売春防止法が施行され、地下にもぐった売春組織?とそれを追う刑事の話だ。

上野のトルコ風呂でトルコ嬢が殺された。

中年の男がSSSと印刷されたチケットを渡すが・・・肉体を提供するということなのだ(売春)、トルコ嬢に冷たくされ、首を絞めて殺してしまった。

刑事が調べるとチケットがみつかる。

 

そのチケットの出所を追うとある組織が介在していて、

そこには売春をする女を見つけてくるおばさんが職安の前で待機して美人に声をかける。

そこはドライビングクラブの名を借りた売春組織。

 

三原葉子トルコ嬢だが、競馬場で客引きをしたりする。

そこへなぜかトルコの同僚の女が現れ、取っ組み合いの喧嘩をしたり、

最後は組織の中核だと思われる男二人(ひとりは菅原文太)を追いつめると

組織のボスらしい元洲崎遊郭(かなんかの)の亭主がいてジャリを上ったり下りたりの死闘を繰り広げる・・・のだが・・・

 

あまり知った顔もなく、やっぱり新東宝大蔵貢だなぁ・・と思った映画でした(笑。

 

ただ、当時の競馬場や埋め立て?地域がみれるのがグッド。

 

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三原葉子宇津井健

 

君は恋人  1967年 日活

監督 斎藤武市 脚本 岩井基成

出演 浜田光夫 和泉雅子 吉永小百合 和田浩治 山内賢 坂本九 克美しげる

   渡哲也 二谷英明 芦川いづみ 松原智恵子 浅丘ルリ子 石原裕次郎

   川地民夫 山本陽子 小林旭 宍戸錠 葉山良二 高橋英樹 舟木一夫

 

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浜田光夫が失明するくらいの傷をおってあとのカムバック作品。

とにかく出演者が豪華すぎる(笑。

 

ストーリーはチンピラから徐々に更正しつつ最後は歌手になる!

浜田が中学の時から憧れの女性、吉永小百合と、浜田に恋する和泉雅子

途中、撮影風景などがあって話が飽きない。

 

うまく説明できないくらい豪華出演陣!

アマゾンプライムで無料視聴。

 

 

仲間たち  1964年 日活

監督 柳瀬観 脚本 中島丈晴 吉田憲二

出演 浜田光夫 松原智恵子 舟木一夫 菅井一郎 藤竜也 松尾嘉代

   内藤武敏 堺正章 田中筆子

 

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新人として藤竜也の名前があったけれど・・・誰だかわからない(笑。

多分、運送店の運転手?のひとりかと思うけれど。

 

山形からでてきてトラックの運転手をしている浜田光夫は将来自分のトラックを持ちたいと考えるようになる。

恋人は路線バスのガイドの松原智恵子

行きつけの餃子店で働く舟木一夫は友人として浜田を応援する。

浜田は寝る間も惜しんでお金を貯めるが、ある日、事故を起こしてしまう。

 

苦難が2度連続でおこり、どうーなるの?とちょっとハラハラした(笑。

ただの青春+恋愛+友情物語ではないのが飽きなかった理由。

 

舟木一夫の演技もなかなか良かった(想像より 笑)

 

かまやつひろしの名前もクレジットにあったけれど・・わからなかった。

一番の謎はやはり藤竜也だ。彼の場合、芦川いづみの夫、中年以降のひげのある俳優さん、愛のコリーダの男優・・・から始まっていまだと「やすらぎの郷」が頭に浮かぶ。。。

 

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運送店の仲間が集合 内藤武敏の隣が藤竜也だけれどセリフあったっけ?

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林家三平とかまやつしろしはどこ?(笑

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カラーの菅井一郎(笑

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これが藤竜也

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舟木一夫カット(髪型)

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浜田光夫松原智恵子コンビ






 

 

木曽の天狗  1948年 大映

監督 松田定次 脚本 比佐芳武

出演 阪東妻三郎 小杉勇 毛利菊枝 阪東好太郎 花柳小菊 喜多川千鶴

   加藤大介 尾上菊太郎

www.kadokawa-pictures.jp

 

川口松太郎みたいな人情噺。

前半、中盤はなかなかよい。

 

針の行商をしている妻三郎だが、裏でいかさまのサイコロを行った先の顔役(もっぱらヤクザ)に売っている。

ある町でヤクザの親分にそのサイコロを5両で売ろうとしたが、逆に「あいさつ代わり」だとタダでとられてしまう。

夜・・・その親分一家を待ち伏せし、ぶちのめした妻三郎が逃げ込んだのが山間の農家。

そこには一人息子がいかさま博打でグレ、行方知れずになった老夫婦がいて、その主人に妻三郎がいかさま用のサイコロを売っているというと、「それは弱い民衆を困らせることをしている・・・」と言われ、ハッとする妻三郎。

世話になった老夫婦の家を後にし、妻三郎は次の町へ流れていく。

 

そこでも町の顔役がはばをきかせ、武士とグルになっている。

 

ある日、その町のヤクザの親分が馬のオークションを開催する。

そのシステム自体はよいが・・・

遠い村から年貢を納められない父娘が馬を売りにやってきた。

30両で売れれば、年貢も収められるし、売った田畑も買い戻せる。

セリが始まる。値があがり、武士が30両というと町の人間が31両・・といい、

武士が35両!といって町の人間がもっと高い値段を言おうとすると、お偉方がでてきて

35両で武士が買ったのだ!と恫喝される。

 

それでも35両を懐にいれた父親はは嬉しがるが、その懐のカネを狙ってヤクザが無理やり酒を飲ませ、博打に誘う・・・。

もちろんいかさまだからすっかり巻き上げられ・・・直談判に行った娘の恋人が逆に拉致されてしまう・・。

 

旅芸人の女太夫と妻三郎のことなどが描かれておもしろい・・のだが、

 

最後に妻三郎がヤクザの親分をにらみつけると、、あっさり親分は引き下がり、奪った金35両も返す・・・というのが、なんだかなぁ・・・(笑。

 

最後の解決方法は再考しないといけない(笑。

だけれど妻三郎ってなんか男の色気があるんだよねぇ・・。

 

馬を売りにきた娘の喜多川千鶴という女優さんはなんだか岸惠子に似ていた。