日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

金環蝕  1934年 松竹蒲田

監督 清水宏 脚本 荒田正男 原作 久米正雄

出演 川崎弘子 藤井貢 坪内美子 桑野道子 金光嗣郎 吉川満子 河村黎吉   突貫小僧 高杉早苗 三宅邦子 葛城文子 藤野秀夫 山口勇 

 

金環蝕といえば1975年の映画が有名だけれど、先日この金環食がアップされ、1934年に金環蝕という映画だあったんだ、75年の金環食と同じ筋書?と思ったら、

全く違う物語でした。

 

無声映画ですが、ところどころに音楽が挿入されています。

ある夜見ていたら、まず、字幕を読むのが辛くなり(ドライアイ)しかも今の漢字ではないからしばらく???と考えていると字幕がなくなってしまい、、

それに「○○でしょう」が「まるまるでせう」とかだから慣れるまで読むのにも時間がかかって、、、画像の粗さも手伝って途中で寝てしまいました(笑。

 

無声映画はまだ目がつかれていない昼に観るに限る。

 

一言でいうと藤井貢が3人の女性から求愛される物語。

しかも藤井はそれを気づかないのか?気づいているのか?なんだかわからない。

一番損なのは藤井の友人で法学博士になった神田(金光嗣郎)。

 

法学博士になった神田が東京から故郷に帰ってきたところから物語が始まる。

田舎でお裁縫?を教えている絹枝(川崎弘子)は幼馴染の大崎(藤井)に呼び出され行ってみると、大崎は神田があなたと結婚したいと言っているという。

絹枝はショックをうけつつ、自分はあなたが好きだった、結婚したかったのはあなたなのに・・・と告白。

 

東京帰りの神田に刺激を受けたのか、家の事情で東京で学ぶことができなかった大崎は絹枝の心を知ったこともあり、東京へ行ってしまう。

それを知った絹枝・・・自分も家出してしまう。

 

場所がかわって東京。

大崎は故郷の知人を訪ねるが、偉くなった人達(丸の内の重役とか)はみな会おうとしない。(このへんコメディ)

最後に時の総理?大臣?になった故郷の大物の家を訪ねるが、

女中として働いている坪内美子が「これはご帰郷の時のお金です」と渡そうとすると

自分はお金を無心にきたのではないと言って怒ってその邸宅をでる。

すると道でその大臣?と娘の乗った自動車にひかれてしまう。(なんかよくあるパターン)

 

病院では大崎に心寄せてしまった女中の坪内が看病しているが、そこへやはり大崎を好きになってしまった鞆音(桑野道子)が現れる。

 

退院後、その大臣だか総理だかの家でその息子の家庭教師?として居候する大崎に桑野が求婚!??

大崎が居候の時の出来事なんかもあって、

例えば桑野がゴルフをやる場面では、何度打ってもタマは地面にあって、ドライバーを振って

行こうとする桑野だが・・・4度もタマには当たっておらず、桑野のぞっこんな従兄が

まだここにあるよ・・・というふりをするギャグ(笑。

 

 

その家には法学博士の神田も出入りしていて、大崎とばったり出会う。

桑野の父は神田との結婚を娘に望んでいるが、桑野は「そのお話は少し待って」という。

 

そうこうするうちに政権交代で(え)桑野の父は東京の大邸宅から湘南(あたりの)小宅へ引っ越すことになり、運転手の山口には自動車を退職金がわりにあたえ、女中て運転手の妹(坪内)もやめることになる。

桑野の婿にと思っている神田には残るように言うが、大崎はいくところもなくなり、

運転手だった山口が個人で始めたタクシーを手伝うようになる。そのアパートには妹の坪内もいて、彼女は少しでもお金を稼ごうと銀座?のカフェの女給となっている。

 

初めて勤めるそのカフェで優しくしてくれた先輩女給が家出した絹枝、川崎弘子。

 

ある夜、坪内と川崎が一緒に帰る道すがら探している人がいると川崎からきく。

その足で坪内のアパートに寄った川崎。そこには大崎(藤井)が寝ころんでいた。

 

動揺する川崎、それをみて川崎が探している男性は大崎(藤井)ではないのかという顔の坪内・・・

しかし、川崎は「神田さんはお元気ですか?」と大崎に聞き、私が探していたのは

大崎さんの知人の神田という人ですといって去る。

 

川崎が住むアパートで自棄酒をのんでいる川崎・・・その元へ大崎(藤井)が・・

(どうやって川崎のアパートを知ったのか?)

そんな川崎に好きだったけれど、自分がいては神田のじゃまをすると思って東京へでてきたことをいう。。

 

やけになった川崎は、カフェに通って口説こうとしている社長?の求めに応じ、

東京駅からタクシーで熱海へと出かける。

そのタクシーは大崎(藤井)を助手として乗せている、元お抱え運転手の山口のタクシーだった。

 

熱海のホテルへ着くと、山口にそくされ、絹枝(川崎)を追って部屋へ入る。

社長を殴り倒し、川崎を責める大崎。

社長はホテルの支配人?を呼んできて警察へ連れていかれるところに

結婚して新婚旅行?に来ていた桑野と神田法学博士がロビーで大崎に気づく。

 

神田は大崎と桑野を二人きりにすると(妻が話したいと言っていたと言って・・なんて寛容なんだ)その足で川崎と社長のいる部屋へ行き、でてきた社長に

「あなたも社会に知られるようなことにはしたくないでしょ?」みたいなことを言って川崎を諦めさせ、無事救出?

 

3人の女性にモテモテなのに、気づかない鈍感な大崎と、

フラれてばかりなのにそれを恨まない神田。

神田に扮した金光嗣郎という人はwikiだと赤字で記されているので俳優としてはあまり活躍しなかったのでは?

でも結構かっこいい人だった。

私は藤井貢よりこっちの人が好みだけど(笑。

 

で、最後は・・郷里に帰る川崎と藤井の姿(暗くてよく見えないけど 多分)

で終わり。

 

鞆音(桑野道子)の友人役として高杉早苗三宅邦子の名があるがどの場面だろう?

桑野が神田と結婚の時の会場にいた人か?

よくわからない。