日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

花の中の娘たち  1953年 東宝

監督 山本嘉次郎 脚本 山本嘉次郎 西島大

出演 岡田茉莉子 小林桂樹 杉葉子 小泉博 東野英治郎 平田明彦 小堀誠

   本間文子

 

東宝初の総天然色作品。なんだか昭和20年代の婦人雑誌や映画雑誌の表紙をみているような画像だったけれど、岡田茉莉子の美少女っぷりが凄い(笑。

 

東京と多摩川を超えた神奈川県の地域差がすごかった時の話。

多摩川をはさむ神奈川の梨農家。20世紀梨を初めて作った(という設定)古い梨農家の主人は頑固者で多摩川に橋がかかるというので土地が値上がりして、東京へ出て行くという農家を冷ややかにみている。

 

長男、長女(杉葉子)次女(岡田茉莉子)の5人暮らしで跡継ぎは長男だったが、自動車にはねられて死んでしまう。

日本橋?あたりのホテルにメイドとして働いている杉葉子には電気技師の恋人 小泉博がいるが親は知らない。跡継ぎに死なれた両親は長女に婿を取って梨農家を継いでもらうと長女の幼馴染の農家の次男坊 小林桂樹との結婚話を勝手にすすめてしまう。

小林桂樹は小さい頃から長女 杉葉子が好きだったが、なかなか言い出せない。亡くなった杉葉子の兄からは妹が東京かぶれしないうちに小林に結婚しろと言っていた。

農家の次男坊で継ぐ土地もない小林桂樹はなんでも良いから外で働こうと思っているが、本当は梨や桃を作るのが好きだ。

 

岡田茉莉子は両親と梨づくりをしているが、将来は自分も東京で働きたいと思っている。 

ある日、隣の親戚のおじさん 東野英治郎の家の離れに東京の音楽学校(大学?)にかよう学生 平田昭彦が引っ越してくる。道案内をした岡田茉莉子はすっかり彼に恋をしてしまうが・・・。

 

杉には結婚を約束した相手がいることを知った両親。今度は岡田茉莉子小林桂樹との結婚話となるが、岡田に泣いて責められた杉葉子は困ってしまう。

 

杉の恋人 小泉博はもっとキャリアを積むために当時外国だった沖縄に行くという。

杉のホテルの客の日系二世?の紹介だというが後にドル買いで夫婦ともども逮捕されてしまう。

小泉博との結婚を反対されていた杉は、もしかするとこれで小泉の沖縄行きもご破算になって、杉の家に養子に入ってもらい、しばらくはなんとかなると思うが、小泉は彼らが逮捕される前に話が決まったので予定通り沖縄に行くから一緒に来て欲しいというが、逮捕された人に感謝も恩義も感じない小泉やさんざんチップをもらっていたのに

罪人になった途端に冷たくなる東京のホテルの従業員に疑問を感じるようになる。

 

杉は結局ホテルを辞め、小泉とも別れる。

 

小林桂樹から告白され、杉はこの人と梨農家をやるのだと決心する。

 

戦後の新憲法の話なんかがでてきて、子供は親の犠牲になるべきか?と考えさせられる。

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岡田茉莉子 まるで雑誌の表紙

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雑誌の表紙その2(笑

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雑誌の表紙 その3(笑)

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杉葉子の雑誌の表紙(笑