日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

愛の世界  山猫とみの話  1943年 東宝

監督 青柳信雄 脚本 如月敏 黒川愼

出演 高峰秀子 里見藍子 谷間小百合 菅井一郎 田中筆子 

 

戦時中の映画。

素行不良?の者を収容する施設に入所する「とみ(高峰秀子)」と指導にあたる女先生(里見藍子)。施設長?は菅井一郎だが教育熱心な心の広い人を演じている。

 

反抗的なとみは誰とも口をきかないので映画が始まってしばらくの間、デコちゃん(笑の声は全くない・・。

 

途中、施設の仲間と取っ組み合いの喧嘩をし、脱走して行きついた先が山の中の小屋で

誰もいない囲炉裏にはごはんが・・・とみはお腹が空いていたのでそれを食べていると

幼い兄弟が帰ってくる・・・ごはんがない・・と言っていると隠れていたとみが自分が食べたと謝り、それ以来、とみはふたりの兄弟の世話をする。

ある日、米びつをみるともうお米が少ししかなかった。幼い兄弟はお腹が空いたとごはんができるのを待っている。

その兄弟には母はなく、父親は猟に行っていて留守だ。

 

とみは村の農家から食べ物を盗むようになる。

村では15,6歳の女の子が盗んでいると噂され、バスの中では「山猫」ととみが呼ばれていることをしっておんな先生は絶句してしまう。

 

村人が怒ってとうとう山狩りをするという。

施設の先生は一緒に山へ入ると川で顔を洗っているとみを発見するが、とみは逃げる。

小屋へ戻るとそこにも村人が来ていて兄弟を連れて山中へ逃げるが、村人は帰ってきた父親に山猫に子供が連れ去られたといい、父も猟銃をもってとみを追う。

 

兄弟を連れていたとみは父親に発見され、発砲される・・・。

 

施設に戻ったとみは仲間と先生と一生懸命畑を耕している。

そこへ小屋の兄弟がおねぇちゃーんと手を振る。父親は兄弟から事情をきいたらしく

申し訳なさそうに立っている。

駆け寄るとみが先生にぶつかってしまうととみは「ごめんなさい」といいながら走っていく。

 

もう少し施設での仲間からのいじめとか、とみの過去とかがあるかと思ったが・・・

なんとも消化不良?な話でした。

戦争中でも不良といわれる人たちはいたんですね・・でもその中身はもっぱら放浪?のようですが。

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デコちゃん 18才?頃