日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

薔薇合戦  1950年 松竹

監督 成瀬巳喜男 脚本 西亀元貞 原作 丹羽文雄

出演 三宅邦子 若山セツコ 桂木洋子 鶴田浩二 大坂志郎 進藤英太郎

   安部徹 千石規子 永田光男

 

 

薔薇合戦(DVD) | 松竹DVD倶楽部

 

前から観たかった映画だけれどあまりおもしろくない・・ということだったので購入はしなかった。でもなかなか面白かった。

 

三宅邦子は夫とともに百合化粧品の乗っ取りを図ったが、うまくいかず、逆に背任容疑で会社から訴えられかねない状況だ。そのうえ夫は病に倒れあっけなく死んでしまう。

 

次女の若山セツコは百合化粧品の安部徹に姉夫婦の件は何とかしてやると言われ、隅田川沿いの料理屋に誘われる。安部徹は若山セツコに好意をのっているのだ。

 

三女の桂木洋子は、姉夫婦を冷ややかにみている。

 

長女の三宅は夫亡き後、資本家の進藤英太郎から出資してもらい新しく「ニゲラ化粧品」という会社を立ち上げる。夫亡き後のほうが三宅はイキイキしている。

三宅はなかなかのやり手で、百合化粧品からの損害賠償金も進藤から引き出し、

さらにニゲラ化粧品は百合化粧品を追い越す勢いだ。

そこで広告宣伝部に鶴田浩二をスカウトする。彼は三女の勤める会社にいた。

 

若山セツコの結婚相手として、三宅はニゲラ化粧品の社員と結婚させる。

従順な若山セツコはなんの疑問も持たずに結婚するが、三女の桂木洋子はアパートを借りて大坂志郎と実験結婚?という大阪がアパートに通い、でも夜は帰ってもらうという形式の生活を始めるが・・・大阪には乳飲み子を抱えた妻、千石規子がいた。

ある日、千石の訪問によってその事実がわかるが、千石には「男妾」を囲うお金持ちの家(ニゲラ化粧品)の人だからと金を無心される。それ以前にも桂木は大坂志郎から金を無心されていた。

 

長女の三宅は資本家と一緒に行った能で知り合った男性と恋仲になる。

会計主任?部長としてその男性を会社にいれるが、若山の夫はなんで自分が選ばれないのだろう・・・と不審と怒りが湧き、ある日同僚の女から若山が鶴田と二人で映画をみていたと告げ口されたのをきっかけにその事務員と関係をもってしまう。

 

さらにその事務員といった料亭で百合化粧品の安部徹が女性と2回ほど来たと聞き、最初はその事務員と一緒に行ったのかと思っていたが、偶然酒場で安部に会い、その相手が自分の妻、若山セツコだと知ることになる・・。

しかし、安部とはなんの関係もなかった若山だ。

嫉妬?にかられた(でも浮気している)夫は若山を風呂に閉じ込め殺そうと?するが・・・

 

と書くとサスペンスのようだがそうではない(笑。

 

三宅邦子大坂志郎からニゲラ化粧品3姉妹のスキャンダル記事をネタにゆすられてしまったりするが、鶴田浩二が助け舟をだす・・しかし、その記事が雑誌に載ることになり、資本家の進藤英太郎からの融資もおじゃんになったり(進藤は三宅をなんとかしたい)、大坂志郎がアパートまで押しかけて来たので逃げた桂木が鶴田のアパートに泊まったり・・若山の夫は北海道に飛ばされたが札幌で女と同棲しているとか・・・

いろいろなことが起こって観ていて飽きない(笑。

 

三宅邦子のキャリアウーマン、しかも女社長はビックリ。

ひたすら従順で人のことばかり考える若山セツコと現代風?な桂木洋子との対比がおもしろい。

 

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若山セツコと安部徹

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ニゲラ化粧品社長の三宅邦子

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現代っ子 桂木洋子

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鶴田浩二大坂志郎のことを相談する桂木洋子