日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

廓育ち  1964年 東映

監督 佐藤潤彌 脚本 棚田吾郎

出演 三田佳子 三益愛子 佐々木愛 進藤英太郎 中村嘉葎雄 宮口精二

   梅宮辰夫 荒木道子 緑魔子 三津田健

 

廓で育った女性の話。これは三田佳子が清純派のレッテルを返上させたいう。確かに。

 

女郎が生んだ娘、民子は廓にもらわれ、そのおかみ三益愛子から廓の教育をうける。

三益愛子のえげつない演技がすごい。

 

その後、三益とは血のつながりがあるという宮子がもらわれてきて、民子は下働きをやめ、芸者の修行に励みながら学校へ行く。

高校に通いながら夜はお座敷へでて、嫌々ながらも廓のためだと売春禁止法に関連しそれを阻止させるための政治家に水揚げされる。

 

民子は高校で英語を教えにきた?学生の梅宮辰夫と将来を誓い合うが、梅宮は家のものの反対にあい、結局教授の娘との縁談をすすめるのだ。

 

梅宮に励まされ、廓育ちだからといって卑下することはない、いつか廓から離れるのだと思っていた民子は梅宮と心中しようとウィスキーに毒薬をいれる・・。

 

この映画、前半より後半ががぜん面白くなる。

 

梅宮に乾杯しようとウィスキーを差し出す。受け取った梅宮が色々言いわけをするのだが、それを聞いた民子は「自分のいる廓と同じじゃないか、どこが違うのだ?」と梅宮に言い、一緒に心中しようと毒をいれたが、あほらしくなったから止めると言い、ビックリする梅宮許を去り、商売に専念するのだが・・・。

 

心優しい妹、宮子は出入りの友禅職人中村嘉葎雄を一緒になるが、同じ町で働く緑魔子は私は花魁になりたいと言ったりする。

緑魔子のその後は可哀そう。

 

ただ、こういう映画はたくさんみたので、特にその後の名取裕子吉原炎上なんかと比べると映像が・・・花魁の衣装なんかも特にカラーだからどうしても見劣りするし、民子と張り合う役の女優さんが(多分 無名)いまいち。

 

梅宮辰夫の若い頃の顔は記憶にある顔と違った(笑。

 

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梅宮辰夫と三田佳子

そして最後は衝撃的だ。三田佳子の演技は良かった。

 

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当時23歳だというが、今の23才とは大違い!